【不得要領(ふとくようりょう)】の意味と例文と使い方

不得要領(ふとくようりょう)

「不得要領」とは「要領を得ない事で、物事の本質や事実などがはっきりしない様」です。一例を挙げるなら役所の対応に不満を覚えたり、政治家の国会答弁などにイライラする事ってありませんか? これらに共通するのは物事の本質をはぐらかし、敢えてなのかきちんとした対応をしないで無意味な返答を繰り返すからで、そうなるといつまで経っても要領を得ないので無駄な時間となりますよね。それが四字熟語では「不得要領」と言います。

不得要領の意味

「不得要領」の意味は以下の通りです。
 ・要領を得ない。
 ・要点がはっきりせず筋道が立たないので、何が言いたいのか理解に苦しむ事。
 ・曖昧で訳が分からない。
”不得”は「得意ではない」「~していない」、”要領”は「物事の最も大事な点」「要点」で、要領を得ないのが「不得要領」です。物事の本質を見極められず、どうにも理解に苦しむ事ばかりを話したりする相手に使ってしまう四字熟語で、こちらは本当に理解に苦しみます。よって、ハッキリしない・歯切れが悪い・曖昧・抽象的・本質が掴めないといった状態を「不得要領」として、使い方としては「不得要領な返事」「不得要領な面持ち」「不得要領で終わる」といった風になります。

不得要領の由来・出典

「不得要領」の由来は残念ながら不明です。文献としては、近代日本を代表する小説家・夏目漱石の著書「吾輩は猫である」(1905年~06年)などに文言が記されています。

不得要領の類義語・同義語

「不得要領」の類義語には、「有耶無耶」「曖昧模糊」「のらりくらり」「掴み所がない」などが挙げられます。

不得要領の使い方・例文

例文1.官僚の国会答弁は呆れるぐらいに不得要領で、彼等は不正を正しこの国を良くしたい気持ちを微塵も持ち合わせず、それならなぜ国家公務員になったのか不思議でならない。
例文2.怒り狂った上司には何を言っても無駄なので、敢えて不得要領でハッキリしない物言いに終始して呆れさせる作戦を使う。
例文3.冷静になれば投資セミナーの代表者の勧誘などは怪しさ満点で、こちらがちょっと鋭い指摘をすれば不得要領になるのは目に見えているが、それでも大勢は信じ切っているのだから金の亡者に取っては神扱いでサタンは俺になる。
例文4.納車2カ月で故障した新車をディーラーに持っていき文句を言ったが、営業マンはいつもの歯切れの良さはなく不得要領で曖昧な対応を繰り返し、これは絶対に訳ありだと察したら、案の定その後リコールがメーカーから発表された。
例文5.何か月もパートからの帰りが遅い妻に我慢の限界を超えてしまい問い質したが、どうにも不得要領な返事ばかりを続けるので興信所を使うしかないと決心した。
「不得要領」を使った例文となります。

不得要領の会話例

男性
明日は営業会議なんだよ。嫌だなー。
女性
やっぱり上司からお説教とかされるの?
男性
されるよ。さ、れ、る。特に俺は…、成績が悪いから、絶好のターゲット。
女性
あなたは緊張しやすいから、大勢の前で言われると不得要領な返事ばかりだしね。それが上司も余計イライラするんでしょうね。

営業マンの夫とその妻の会話です。営業会議を翌日に控えて、夫は早くも憂鬱になっています。

不得要領の豆知識

「不得要領」から”要点”に関する四字熟語は、前置き無しに本題に入り要点をつく「単刀直入」、遠回しに相手の弱点を突く話しぶりやさりげなく要点をつく事の「談言微中」、物事を全体で捉えて要点や本質を見抜く「着眼大局」などがあります。

不得要領の難易度

「不得要領」は漢字検定6級から7級相当の文字組み合わせで、”得”と”領”は6級で小学校高学年レベル、”不”と”要”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

不得要領のまとめ

「不得要領」は話の要点がはっきりせず何が言いたいのか分からない事です。気弱な性格の人などがこのような物言いになってしまう事が多いいですが、逆にわざと事実を隠す為にのらりくらりとする場合もあります。様々な理由はありますが、本質や要点が有耶無耶なのが「不得要領」です。

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