【抜山蓋世(ばつざんがいせい)】の意味と例文と使い方

抜山蓋世(ばつざんがいせい)

「抜山蓋世」とは「力が漲り、山を引き抜き世界を覆うほど充実している事」です。これだけでは分かり難いですが、要するに豪傑な武将や権力者などを表現する言葉で、それぐらいに力があり心身共に充実している状態なのです。向かう所敵無し、連戦連勝といった表現にも近く、もう勢いがありまくりで最高な時とも言え、そんな今にも山をも引き抜きそうな「抜山蓋世」の解説となります。

抜山蓋世の意味

「抜山蓋世」の意味は以下の通りです。
・山を引く抜く強い力と世界を覆い尽くす気力がある事。
・強い力や気力から転じて、威勢が極めて盛んや元気が非常に盛んという喩え。
・英雄豪傑の力と積極的な気持ちや気概がある事。
・「山を抜き世を蓋う」(やまをぬきよをおおう)と読む。
”抜山”は「山を引き抜く」「山を抜き取る」、”蓋世”は「世を覆い尽くす」「世界を圧倒する」で、まるで山を引き抜くような強力な力と世界を覆うほどの気力がある事が「抜山蓋世」です。それぐらいの圧倒的な力というか気力がある状態なので、要するに、勇壮や威勢が極めてある状態の喩えとして用いられます。ですから、単に威勢が良いや元気があるのではなく、第三者が感じ取るぐらいの威勢の良さなので、例えば歴史上活躍した豪傑であったり、或いは現在でも大活躍をしている著名人などで形容する際に用いられます。一方で、もちろん一般人などで使っても問題ありませんが、誰もが納得するぐらいの極めて威勢が良い納得のエピソードに相応しくなります。このような背景から類似となるのは
、元気百倍・絶好調・意気衝天・闘志・意気軒昂・気合・天下無敵などとなります。

抜山蓋世の由来・出典

「抜山蓋世」の由来は、中国前漢時代の歴史書「史記」の項羽紀となります。

抜山蓋世の類義語・同義語

「抜山蓋世」の類義語には、「抜山倒河」「抜山倒海」「抜山翻海」などが挙げられます。

抜山蓋世の使い方・例文

例文1.現役で東大に合格した友人は高三になってからの本腰を入れて受験勉強に取り組み、その熱の入れようは誰が見ても抜山蓋世と感じ取ったほどだ。
例文2.歴史的な戦国武将は抜山蓋世な気持ちを前面に出して戦を勝ち抜いてきたのだろう。
例文3.総理大臣になるには抜山蓋世な気概と周辺への細かな配慮という相反する二つが必要になるが、だからこそ成し遂げたら誠実な対応をするべきだが、最近の総理はそれが出来ないので笑ってしまう。
例文4.サッカー界の英雄である故マラドーナは抜山蓋世の称号に誰よりも相応しい。
例文5.中学生の時はクラスで誰よりも嫌われ相手にされなかったのに、今では大臣に出世して後援会からは抜山蓋世と絶賛されるのだから、人生とは親のコネさえあれば何とかなってチョロイもので、それ以外の大多数にとっては実にバカらしい。
権力者などに「抜山蓋世」を使った例文となります。

抜山蓋世の会話例

男性
待ちに待った今日は焼肉食べ放題。そろそろお店に行こうか!
女性
コロナで何か月も行けなかったから、本当に久しぶりね。よーし、今日は食べるぞー。
男性
でも、今日は二人とも気合が入っているよね。どっちもオシャレなんて関係なしのジャージ姿だし。
女性
でも、私達の食べっぷりを見たら、お店の人もまるで抜山蓋世だと驚くんじゃないの。

焼肉の食べ放題店に出掛けようとする恋人同士の会話風景です。

抜山蓋世の豆知識

「抜山蓋世」から古代中国の歴史書「史記」を由来とする四字熟語は、一字が千金もの価値がある「一字千金」、将来の成功を期待して現在は苦労に耐える「臥薪嘗胆」、道理に逆らった方法で天下を取っても、天下を取った後には道理に適った方法で天下を守る「逆取順守」などがあります。

抜山蓋世の難易度

「抜山蓋世」は漢字検定2級から10級相当の文字組み合わせで、”蓋”は2級で高校卒業レベル、”抜”は4級で中学レベル、”世”は8級で小学校中学年レベル、”山”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

抜山蓋世のまとめ

「抜山蓋世」は山を引き抜くほどの強い力と世界を覆い尽くす気力という意味で、そこから、勇壮や威勢が極めてある際の喩えとして使われる言葉です。それぐらいの勇ましく勢いがある事なので、現在なら成功した権力者や活躍したスポーツ選手などを形容する際に用いるのが相応しいのではないでしょうか。

抜山蓋世というように威勢がある。
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