【臥薪嘗胆(がしんしょうたん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

臥薪嘗胆(がしんしょうたん)

「臥薪嘗胆」とは「復讐や成功をするには、相応の長い努力や苦労が必要という事」です。元々は復讐を果たす為のある種怨念めいた言葉でしたが、現在は目的達成の為に用いられる事が多くなっています。努力や苦労を肯定する座右の銘としても広く知られる「臥薪嘗胆」についての解説となります。

臥薪嘗胆の意味

「臥薪嘗胆」の意味は以下の通りです。
・将来の成功に為に今は苦労に耐える。
・仇を討ち恥をすすぐ為に長い間苦労を重ねる事が転じて、目的達成の為には苦労を耐え忍ぶ。
・復讐を誓って辛苦をする事で、目的を遂げる為には苦心や努力を積み重ねる。
”臥薪”は「固い薪の上で寝る」、”嘗胆”は「苦い肝を舐める」からなる「臥薪嘗胆」は大きく分けると二つの意味があります。一つは、将来の目的達成の為には現在は苦労をする。もう一つは、目的達成には時間を要するという点です。どんなに優秀な人でも、物事を達成するのは簡単ではなく、それが復讐でも長い時間や苦労がかかるのです。逆に言うなら、それが出来ればどんな物事でも達成できて不可能ではないとも解釈可能です。元は古代中国の復讐を果たす王の史伝とされ、現在は復讐で使うよりも「目的達成の苦労」や「苦労の末の成功」というニュアンスで用いられます。特に敢えて固い薪で寝たり、苦い肝を近くに置いて舐めるなどは、成功の為には質素生活を続けたり、合格祈願のお守りを部屋に置くなどに感覚的には近いものがあります。

臥薪嘗胆の由来・出典

「臥薪嘗胆」の由来は、中国南宋時代の歴史本「十八史略」の「春秋戦国」となります。元々は、中国春秋時代に呉王・夫差が父親の仇である越王・勾践を討つために、薪の上に寝て復讐心を維持して後に果たした事と、その後破れた勾践は苦い肝を毎朝舐めては再起を誓い、最後には夫差を滅ぼしたと伝えられています。

臥薪嘗胆の類義語・同義語

「臥薪嘗胆」の類義語には、「越王之胆」「坐薪懸胆」などが挙げられます。

臥薪嘗胆の使い方・例文

例文1.将来は医者になると臥薪嘗胆した結果、医師国家試験に無事合格した。
例文2.最近は臥薪嘗胆で長年苦労するよりも、コスパよく短期間で上手く成功する方が評価される世の中で、そこが嘆かわしい。
例文3.かつての人気タレントが芸能界の闇を暴いた発言をしたのは臥薪嘗胆とも言えるべき復讐だが、暴露された側の対応があまりにも冷静でそれが返って信ぴょう性を高めてしまった。
例文4.親や恋人の復讐を果たす臥薪嘗胆な物語は人気作となる場合が多いのは、人間の深層心理を巧みについているからだ。
例文5.子供の頃いじめっ子だった知人は酒を飲むと懺悔や自責の念に駆られて、いじめた同級生やその息子が臥薪嘗胆で復讐をしにくると怯えてしまい、それからは禁酒をして忘れるように努めているそうだ。
復讐や苦労などで「臥薪嘗胆」を使った例文となります。

臥薪嘗胆の会話例

男性
聞いてくれるかな。俺にはどうしても許せない相手がいるんだよ。
女性
その人に復讐したいの?
男性
それがよく分からないけど、ずっと勉強をしてきたのも、その相手を見返す為だと思っている。でも最近は一歩前に進むには踏ん切りをつける行動が必要なのかなって。
女性
そういうのは臥薪嘗胆って言うけど、いつまでも過去に縛られないで前を向いて歩きなよ。

過去の苦い思い出を清算したい男性と、復讐などはして欲しくない女性の会話です。

臥薪嘗胆の豆知識

「臥薪嘗胆」から”復讐”や”報復”に関係する四字熟語は、手のひら返しをした者達に報復し恨みを晴らす「引縄批根」、将来の成功や活躍や復讐の為に耐えて我慢する「坐薪懸胆」、復讐の為にはどんな苦しみや苦労も厭わない「漆身呑炭」などがあります。

臥薪嘗胆の難易度

「臥薪嘗胆」は漢字検定準1級から4級相当の文字組み合わせで、”臥”と”嘗”は準1級で大学一般レベル、”胆”は3級で中学卒業レベル、”薪”は4級で中学レベルの四字熟語となります。

臥薪嘗胆のまとめ

「臥薪嘗胆」は復讐や成功を果たすには努力や苦労を重ねる必要があるという意味です。何かを成し遂げるにはそれだけ時間が掛かるので、それを耐えた者だけに結果として反映されるのでしょう。よって、努力や苦労の座右の銘としても人気が高い四字熟語です。

臥薪嘗胆努力して山に登る姿。
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