【戦戦慄慄(せんせんりつりつ)】の意味と例文と使い方

戦戦慄慄(せんせんりつりつ)

「戦戦慄慄」とは「大変恐れる、恐怖でびくびくしている事」です。要するに、とんでもなく怖がっていたり、怖くて腰を抜かしているような状態です。人によっては、遊園地のお化け屋敷でも本当に怖がるので、そんな怖い思いを表す最上級の言葉が「戦戦慄慄」なのです。それでは、より詳しい解説に入らせて頂きます。

戦戦慄慄の意味

「戦戦慄慄」の意味は以下の通りです。
・大変恐れる。恐れてびくびくしている。
・恐怖から震えてびくびくしている。
・「戦々慄々」とも書き同義。
”戦戦”は「恐れ戦く」「恐れ慎む」、”慄慄”は「恐れ戦く」「慄然」で、そこから上記のような大変恐れている、酷く恐怖でおじけついている様となります。また”戦慄”は「恐ろしく震えている」となるので、それを繰り返して、本当に心底から恐怖であると表現しています。よって、”戦慄”よりもさらに怖がっている際に「戦戦慄慄」が使われます。本来は”戦慄”でも十分すぎるほど恐怖が伝わりますが、例えば生々しい殺害が売りのスプラッター映画なら「戦戦慄慄」とキャッチコピーが入ると、一体どれだけ残忍で恐怖なシーンがあるのかと想像が膨らみます。単に”恐怖”だけなら既に使い古されているので、そういった点からも「戦戦慄慄」を用いるのです。もちろん個人の主観でもあるので、本人が使う以外の「戦慄」と「戦戦慄慄」は大差がなく、またそんなに怖くないという感想を抱く事もあります。しかし、通常は恐怖よりも何倍も怖かった出来事を「戦戦慄慄」とするもので、使い方としては「戦戦慄慄を覚える」「戦戦慄慄が走る」といった風になります。

戦戦慄慄の由来・出典

「戦戦慄慄」の由来は、中国前漢時代の皇帝・劉安による思想書「淮南子」の「人間訓」となります。

戦戦慄慄の類義語・同義語

「戦戦慄慄」の類義語には、「戦戦兢兢」「小心翼翼」「翼翼小心」などが挙げられます。

戦戦慄慄の使い方・例文

例文1.学生時代、隣家で物騒な事件が起こり重要参考人となった男が行方不明になったので、バイト帰りなどで夜中にその前を通る時は内心はいつも戦戦慄慄で手や背中は冷や汗を掻いていた。
例文2.未だに一人で恐怖映画を観れないのは、戦戦慄慄すぎて情けないので誰にも言えない秘密だ。
例文3.アメリカや中国が本気で怒ったら、日本の政治家の多くは戦戦慄慄となって委縮しまくるのだろう。
例文4.友人からドッキリを仕掛けられただけで戦戦慄慄となり、夜中の寝付けも悪くなる。
例文5.新しく赴任してきた女上司は噂通りのコストカッターで大変厳しく、運動部でならした体が大きい男性連中は戦戦慄慄として顔色を窺っているのが実に面白い。
職場や恐怖映画などで「戦戦慄慄」を使った例文となります。

戦戦慄慄の会話例

男性
衝撃の映像を扱ったテレビ番組ってあるよね。 あれって、皆平気で楽しんで見ているけど、実は怖くないですか?
女性
交通事故の危機一髪シーンとか、コンビニ強盗を店員が反撃するとかってものよね。確かにテレビ番組で流せるのは、事件事故にならなかったからで、その背景には沢山の悲劇があるもんね。
男性
そうそう。だから、戦戦慄慄しちゃうんだよ。
女性
分かった。だからいつもアニメばかり見ているのね。

仲の良い男女による衝撃映像のテレビ番組についての感想となります。

戦戦慄慄の豆知識

「戦戦慄慄」から”恐怖”に関する四字熟語は、恐怖やケガで顔が青ざめる「顔面蒼白」、がっかりや恐怖から逃げ出す「銷鑠縮栗」、相手の勢いに恐れるあまり何でもないものでも錯乱して怯える「草木皆兵」、恐怖で恐れおののく「胆戦心驚」などがあります。

戦戦慄慄の難易度

「戦戦慄慄」は漢字検定2級から7級相当の文字組み合わせで、”慄”は2級で高校卒業レベル、”戦”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

戦戦慄慄のまとめ

「戦戦慄慄」は恐れるや恐怖といった意味の”戦慄”を繰り返して、本当に恐怖で怖かったという事です。従って、大変恐れるや恐怖から震えてびくびくしている様を表しています。例えば、物騒な事件に遭遇したり、恐怖映画などの衝撃シーンなどは「戦戦慄慄」と言えるのではないでしょうか。

戦戦慄慄におびえる女性。
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