【見聞覚知(けんもんかくち)】の意味と例文と使い方

見聞覚知(けんもんかくち)

中高年になると体は老いてどんどん衰えていくものです。視力は衰え、耳は遠くなり、鼻は年中ムズムズします。今回の四字熟語「見聞覚知」は、そんな人間の基本感覚を改めて思い出させてくれるものだと個人的には感じています。それでは、仏教用語でもある「見聞覚知」について解説となります。

見聞覚知の意味

「見聞覚知」の意味は以下の通りです。
・仏教用語の六種類の「識」の事で、見ること(眼識)・聞くこと(耳識)・覚ること(鼻識・舌識・身識)・知ること(意識)。
・見る事と聞く事と覚える事と知る事で、見るは眼識、聞くは耳識、覚えるは三識で鼻識・舌識・身識、知るは意識で、これらは六識の作用となる。

「見聞覚知」の”眼識”は物事の真偽を見分ける能力、”耳識”は聞いた音声で識別する心の働きかけ、”鼻識”は嗅覚する心、”舌識”は味覚する心、”身識”は触覚する心の事で、これらが六識となり眼・耳・鼻・舌・身・意の認識器官がそれぞれ色 ・声・香・味・触・法を認識します。また、六識以外にも”六根”や”六境”という仏教ならではの認識に対する捉え方もあります。

見聞覚知の由来・出典

「見聞覚知」の由来は仏教用語となりますが、それ以上の詳細は不明です。文献としては、鎌倉時代初期の禅僧・道元の仏教思想書「正法眼蔵」です。

見聞覚知の類義語・同義語

「見聞覚知」の類義語には、「六根清浄」「六根自在」などが挙げられます。

見聞覚知の使い方・例文

例文1.誕生する我が子には親バカながら、見聞覚知な能力が優れた子となる事を願うばかりだ。
例文2.見聞覚知が人並み以上の友人は、その優れた能力が評価され就職先も選び放題で正直羨ましい限りだ。
例文3.亡き祖父は孫である私に生前何度も、「見聞覚知の中でも知を最も大事にしなさい」と助言してくれた。
例文4.仏教に興味がなくても、社会人の常識として見聞覚知と六根清浄は覚えておくべきだ。
例文5.見聞覚知を本当に理解すると、家族や他人と無暗に意見衝突やケンカなどは起こらない。
愛息誕生、祖父の助言などで「見聞覚知」を使った例文となります。

見聞覚知の会話例

男性
どうしたの、顔色悪いよ?
女性
昨日飲み過ぎて…。それにしても、よく私が調子悪いって分かりましたね。
男性
普段から同僚の事は気に掛けているから。見聞覚知の意識を集中させると、いつもと違うと分かるよね。
女性
心配かけてすみません。でも、一歩間違えるとストーカーみたいで危ないですよね。

職場にて、体調が悪い女性に心配の声をかける男性との会話です。

見聞覚知の豆知識

「見聞覚知」は仏教における”六識”の作用となるが、他に”六根”と”六境”があります。六識は認識、六根は感覚器官、六境は知覚対象となり、それぞれ六根は眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根、六境は色境・声境・香境・味境・触境・法境とも呼びます。

見聞覚知の難易度

「見聞覚知」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”覚”は7級で小学校中学年、残り三文字は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

見聞覚知のまとめ

「見聞覚知」は、仏教用語の六識の事で、見ること(眼識)・聞くこと(耳識)・覚ること(鼻識・舌識・身識)・知ること(意識)です。意識以外は人間に備わる五感とも通ずるものがあり、それぞれが認識の働きであり総称となります

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