【六根清浄(ろっこんしょうじょう)】の意味と例文と使い方

六根清浄(ろっこんしょうじょう)

仏教用語の中で有名なのが「六根清浄」ですよね。常識や当たり前として、”六根”の全てを理解している人も多いと思います。それぐらい日常生活に浸透している「六根清浄」ですが、普段の会話などではまず使われませんよね。逆に言うなら、それでも人々に浸透しているのは凄い事です。それでは「六根清浄」についての解説となります。

六根清浄の意味

「六根清浄」の意味は以下の通りです。
・人が生まれながら持つ六根を修行によって断ち切り、心身を清らかにする行為。
・六根によって人は欲や煩悩に左右されるので、欲を遠ざけ清らかな境地に達する事。
・修行で欲望を断ち切り、清浄な精神や霊妙な術を習得する事。
・略した「六根浄」も同義。
「六根清浄」は仏教用語で、人間が持ち備える”六根”を修行によって清らかにする事です。”六根”は、眼根(視覚)・耳根(聴覚)・鼻根(嗅覚)・舌根(味覚)・身根(触覚)・意根(意識)で、人間の根幹であると同時に欲望や迷いの要因でもあります。これらを遠ざけ、断ち切る山籠もりなどの修行をする事で、”六根”が”清浄”されると信じられています。そこから、修行の際には「六根清浄」と唱えられ、けがれを清めるとされています。

六根清浄の由来・出典

「六根清浄」の由来は、般若思想を説いた経典「般若心経」や大乗仏教の経典「法華経」となります。

六根清浄の類義語・同義語

「六根清浄」の類義語には、「八面玲瓏」「斎戒沐浴」「精進潔斎」などが挙げられます。

六根清浄の使い方・例文

例文1.受験・就職・結婚に失敗したのは己の欲深さが原因だと気付き、六根清浄を掲げて全国放浪の旅に自転車で出掛けた。
例文2.六根清浄を果たす為に、まずは深夜のスマホ弄りを禁止した。
例文3.友人は成功者や大金持ちを毛嫌いし、六根清浄の真理を教えたいと豪語するが、本人も欲まみれでギャンブルに酒浸りの生活を送っている。
例文4.初孫の誕生に両親は、六根清浄な気持ちで禁酒禁煙を続けた甲斐があったと大喜びした。
例文5.たった1時間の残業をしただけでへとへとな顔をした新人が、「六根清浄のような苦行でした。働くのは大変ですね」と、口にした。
六根清浄を使った例文となります。

六根清浄の会話例

男性
ねえ、そろそろスマホを止めようと思っているんだけど…。
女性
ガラケーに戻るんですか?
男性
ガラケーもスマホも止めて、携帯なし生活にする。
女性
それって、現代人にとって六根清浄よりも苦行ですよ。ストレスから解放されるどころか、逆にストレスだらけになりません?

ガラケーもスマホもやめると言い出した友人を説得する会話例です。

六根清浄の豆知識

某テレビ番組でも紹介されていましたが、お年寄りなどが自然と発する「どっこいしょ」という言葉は「六根清浄」が由来とされています。他にも諸説があるので確定ではないですが、「六根清浄」は修行の際に発する言葉でもあり、それが訛りや時代経過などが影響し合って「ろっこんしょうじょう」が「どっこいしょ」と変化して定着したそうです。

六根清浄の難易度

「六根清浄」は漢字検定準2級から10級相当で、高校から小学校低学年レベルの四字熟語となります。

六根清浄のまとめ

「六根清浄」は、人間が持っている欲望”六根”を修行などで遠ざけて心身を清らかに”清浄”する事です。山籠もりなどの修行をすると、六つの欲望が清浄されるので、そこから綺麗な精神を所有して霊妙な術を習得すると伝えられています。

六根清浄で心の清らかな女性
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