【漸入佳境(ぜんにゅうかきょう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

漸入佳境(ぜんにゅうかきょう)

「漸入佳境」とは「人の話などがこれから盛り上がっていくところ」です。「起承転結」の”転”部分といった方が分かりやすいかも知れませんね。前振りが終わり、これから話なり映画などが本筋の核心に迫り最も盛り上がっていくので、ここが退屈でダメだと台無しです。そんな肝となる部分の少し手前である「漸入佳境」の解説となります。

漸入佳境の意味

「漸入佳境」の意味は以下の通りです。
・話や状況が次第に興味深いところに迫ってくる事。
・人の話や状況が徐々に核心に迫ってくる事。
・「漸く佳境に入る」(ようやくかきょうにいる)と訓読する。
”漸入”は「深い所に入っていく」「少しずつ入る」、”佳境”は「一番面白く興味深い」「優れた境地」「興味を感じさせる場面」で、話などが少しずつ盛り上がり最も興味深い所に突入する、或いは迫ってくるのが「漸入佳境」です。本来の意味は話や状況となりますが、現在は拡大解釈され映画や小説や漫画、或いは音楽やスポーツなどでも使われる事が多いです。要するに”佳境”だけとほぼ同じような形となります。従って、ハイライト・クライマックス・見せ場・ドラマティック・大詰め等々も類似表現で、「漸入佳境に入る」「漸入佳境に迫る」といった使われ方が多くなります。

漸入佳境の由来・出典

「漸入佳境」の由来は、中国晋時代の歴史書「晋書」の顧愷之伝となります。

漸入佳境の類義語・同義語

「漸入佳境」の類義語には「漸至佳境」などが挙げられます。

漸入佳境の使い方・例文

例文1.購入したばかりの大好きな某作家の新刊を寝る前に少しずつ読むのが目下の楽しみで、早く漸入佳境が来ないかとヤキモキしている。
例文2.アメリカなどで最近人気の曲は漸入佳境を序盤に持ってくるか、まったくないまま敢えて単調に終わらせてしまう構成となっている。
例文3.グダグダ続きの政権の終わりが漸入佳境に入りそうだと、大抵の国民は気付いてきた。
例文4.課長の話は声が大きいだけで支離滅裂だし、漸入佳境もないまま唾をまき散らすだけで終了と、一体何を言いたいのかまったく理解できないが本人はご満悦だ。
例文5.関西芸人に多い身内だけが喜ぶ話は本当に底が浅く、オチとなる漸入佳境もピントがズレているので、頼むから公共の電波でそれを流さないで欲しい。それが所属する事務所がテレビ各局の大株主となる汚い方法を使っているので民意は反映されず、一層テレビ離れが進む悪循環だと当人たちは気付いていないで笑いは全てという顔をして、今日も楽に大金を得るシステムにご満悦だ。
テレビや音楽で「漸入佳境」を使った例文です。

漸入佳境の会話例

男性
疲れたー。やっと2時間終わったよ。
女性
ちょっと。そんな言い方しないでよ。あなたが観たいって言った映画だよ。
男性
そうだけど、後半には漸入佳境なシーンが続くと思ったけど、まったくなかったね。テレビドラマより酷い作品だよ。
女性
あなたはいつも批判ばかり。私は10年に一度の名作でアカデミー賞ものだと思っているよ。

映画を観終えた恋人同士が感想を言い合っています。

漸入佳境の豆知識

「漸入佳境」の由来について深掘りすると故事には、晋時代の画家・顧愷之が甘く煮詰めたさとうきびを食べる時に不味い方から食べ、それを不思議に思った人が訊ねると、「だんだんと佳境に入る」と答えたそうです。

漸入佳境の難易度

「漸入佳境」は漢字検定準2級から10級相当の文字組み合わせで、”漸”は準2級で高校レベル、”佳”は3級で中学卒業レベル、”境”は6級で小学校高学年レベル、”入”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

漸入佳境のまとめ

「漸入佳境」は話や状況、或いは映画や小説などが興味深い部分に差し迫ってくる事です。要するに、最も面白くて関心ある部分にこれから入る所で、クライマックスやハイライト的なニュアンスに近いものがあります。

漸入佳境なシーンの画像
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