【起承転結(きしょうてんけつ)】の意味と例文と使い方

起承転結(きしょうてんけつ)

冷静に考えると「起承転結」も、四字熟語の一つなんですよね。当然のように日常に溶け込んでいるので、改めて考える事がありませんでした。漫画などを読んでいると、退屈な場合は大抵で「起承転結」が甘いのです。また、どんなに導入やその後の膨らましが面白くても、最後の締めが甘いとそれもガッカリしてしまいます。ですから、どの部分も巧みに面白くする技術が求められるのでしょう。さて、「起承転結」は今更説明不要だと思いますが、個人的な思いなども付け足してより詳しく解説をさせて頂きます。

起承転結の意味

「起承転結」の意味は以下の通りです。
・基本的な文章構成方法であり、物事全般における順序や組み立て。
・文章や話の構成で、導入部の始まりから発展させ最後に終わらせる形式のもの。
・元々は漢詩における絶句の構成法で、第1句の起句に始まり、第2句の承句でそれを受けて展開させ、第3句の転句で転じさせ興味を引き、最後の第4句の結句で全体をまとめて締める。
”起”は「漢詩の絶句の第1句」「始まり」「導入」「事前」、”承”は「絶句の第2句」「起の補助」「本題の導入」、”転”は「絶句の第3句」「展開」「メイン」「視点変更」、”結”は「絶句の第4句」「全体の結び」「まとめ」となり、これらを合わせて「起承転結」となります。元々は中国の漢詩の詩体である”絶句”の構成法とされ、文章を作る際や会話などで物事を順序立てるものです。要するに、適当に物事を羅列するとまとまりがないですし、当事者以外は理解できなくなります。それを回避するのが「起承転結」で、始まりから盛り上がり部やオチなどを入れて最後はどうなったかと理路整然になると、聞き手や読者は中身に惹きこまれやすくなるのです。これを簡潔に取り入れているのが全国紙に必ず掲載されている四コマ漫画であり、他にも通常の漫画や小説や映画、或いはコントや漫才、ニュースやドキュメンタリー番組、仕事でもプレゼンやレポート作成、スポーツや人生までも「起承転結」と言っても差支えがないと思います。これらが素晴らしい作品であったり評価が高いのは、往々にして「起承転結」となるベースが秀逸だからこそなのです。一方、敢えて「起承転結」に沿わないで、最初から”結”で始めたり、”結”を未導入とするなど構成を変える方法もありますが、それらも「起承転結」があるからこそ亜流として成立しています。より深掘りすると、「起承転結」を意識するのは当然ですが、それぞれのバランス配分をどれぐらいにするかなど考えると、今後も物語や作品において進化していくでしょう。

起承転結の由来・出典

「起承転結」の由来は、古代中国の漢詩の絶句となります。漢詩の原形は中国周時代頃に誕生し、唐代時代には絶句は完成されていたと伝えられています。

起承転結の類義語・同義語

「起承転結」の類義語には、「起承転合」「三部構成」などが挙げられます。四字熟語以外では「序破急」「漸層法」「レトリック」などがあります。

起承転結の使い方・例文

例文1.子供の頃は起承転結を意識した作文作りをするように教師から教わった。
例文2.偉大なスーパースター・故マラドーナほど起承転結な人生を歩んだ人もいない。
例文3.開発費が何十億円もかかる大人気ゲームは、それこそハリウッド映画も顔負けな起承転結が組み込まれた壮大なストーリーが醍醐味である。
例文4.コロナ渦の現在を起承転結で例えるなら、”承”がずっと続いている感じだ。
例文5.個人的には起承転結にとらわれない滅茶苦茶で支離滅裂な作品が好みだ。
サッカーのスーパースター・マラドーナや大作ゲームなどに「起承転結」を使った例文となります。

起承転結の会話例

男性
お早う。今日も寒いね。
女性
もう冬だものね。一年で一番寒い頃よ。
男性
ところで、冬って起承転結で言うと何になるんだろう?
女性
それは、”結”じゃないの? 春は”起”っていう感じだから、その前は”結”よね。

冬は「起承転結」のどこに位置するのか、夫婦が会話をしています。

起承転結の豆知識

「起承転結」の考え方は万国共通な感じがしますが、実は日本や発祥の中国、そして精々アジア圏限定となります。それでは欧米ではどうかと言うと、特に英語圏の国々は文法上の規則からも、結論を最初に持ってくるのが大前提です。結論から始めて、理由などを入れて最後にまとめとなります。もちろん、映画や小説などでは結論を最後にするのは多々ありますが、日常会話などでは結論から先に述べるのが、常識と言っても良いほどです。突き詰めると、これらの違いがあるので、日本と欧米では仕事の会議時間の長さが違ったり、人同士が親密に付き合える距離感に差があるのです。当然、日本は会議時間が長く、大人になると人との付き合いも親密になるのは時間が掛かったり難しい場合があります。「起承転結」がベースとなると、本音を言うまでに時間があるので、結局それを言わないでやり過ごす事となり、本心が読めないと思ってしまうのです。

起承転結の難易度

「起承転結」は漢字検定5級から8級相当の文字組み合わせで、”承”は5級で小学校高学年レベル、”結”は7級、”起”と”転”は8級でそれぞれ小学校中学年レベルの四字熟語となります。

起承転結のまとめ

「起承転結」は文章構成や会話をする時の順序や展開であり、最も分かりやすい伝え方の一つです。全体を四段階に分けて、始まりの”起”が第1句、発展させる”承”の第2句、さらなる展開や逆転となる”転”の第3句、最後は全体まとめの”結”を第4句となります。この方法は漫画や小説や映画等々に取り入れられ、また繰り返しですが作文を書いたり日常の会話や、資料作りなどの仕事でも役立っています。

起承転結を意識して書く
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