【大義名分(たいぎめいぶん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

大義名分(たいぎめいぶん)

「大義名分」とは「人としての同義や節度、又は国家や君主に対する道理や本分の事」でもあります。なかなか難しい言葉ですが、政治家が好んで使ったり、総選挙など政界が激変する際にニュースや紙面を賑わす言葉ともなっています。ですから見聞きする機会は多いですが、何となくニュアンス的に覚えている人も多い事でしょう。それでは「大義名分」の解説をさせて頂きます。

大義名分の意味

「大義名分」の意味は以下の通りです。
・人としてまた臣として守るべき道義と節度。
・国家や君主に対して守るべき道理や本分や節義。
・行動の根拠や口実として使われる言葉で、ある行動を取る理由や事由の事。
”大義”は「重要な意義」「大切な意義」「人として守る同義」「国家や君主への忠義」「親孝行」、”名分”は「立場や身分で応じるべき道義上の分限」「事をする表向きの理由」「名目」で、端的に言うなら、行動を起こす理由や道理であり、捻くれた見方なら何かをする後付けの理由とも言えます。元々は古代中国を代表する思想家・孔子の言葉で、それが現在は特に政界や政治家が好んで使う事もあり、あまり良い印象を抱いていない人も多くなっています。一般人が使うのは稀であり冗談などではあっても、日常生活で使う事はほぼありません。従って、政治や或いは新聞やテレビなどで登場する言葉といっても過言ではありません。因みに、政治世界で使われる「大義名分」とは、国の為というのは建前で、要するに政党や内閣や自分を守るために使うので、そこには、これらを守る為には嘘を吐いても問題なしという、非常に都合が良い解釈もされています。多い使い方としては、自らの主張を前面に出す「大義名分を振りかざす」などがあります。本来は道義的にも正しい道を進む際に用いるべき「大義名分」ですが、現在は言い訳や口実として使われる事が多くなっているのは残念ながら事実です。

大義名分の由来・出典

「大義名分」の由来は、中国春秋時代の思想家・孔子の歴史書「春秋」です。その後は日本に入り、江戸時代に水戸藩によって思想としてより概念めいたものに発展しました。

大義名分の類義語・同義語

「大義名分」の類義語には、「大義滅親」「三綱五常」などが挙げられます。

大義名分の使い方・例文

例文1.政治家が饒舌に大義名分を語り始めると、その裏には何か思惑があるなと誰もが感じ取る。
例文2.課長に社内改革を訴えたが、「大義名分が必要だ」と逃げられてしまった。
例文3.言い訳や捏造に虚偽ばかりの議員が、一体どの口で大義名分と言えるのか本当に不思議でならない。
例文4.コロナ禍の大義名分では、国民は不要不急の外出をするなとなるが、お偉い医師会会長や議員はせっせと献金パーティーに明け暮れているのだから呆れてしまう。
例文5.時代劇や幕末の作品を観ていると、昔の人は大義名分の為に思い切った行動をするなと感心するが、少々格好良く描き過ぎではと思えてしまう。
政治批判などで「大義名分」を作った例文です。

大義名分の会話例

男性
衆院選はいつになるんだろうね?
女性
専門家は五輪後の8月や9月って話だよ。
男性
今回の大義名分は何になるんだろう。まさかコロナに勝ったではないよね?
女性
いや、あり得るんじゃない。大義名分なんて何でもいいんだから。ワクチン接種がすすみ、五輪も開催しました。皆さんどうですかーってね。

衆院選について男女が会話をしています。

大義名分の豆知識

「大義名分」から”道理”に関する四字熟語は、意味のない事をこじつけて道理があるように説明する「郢書燕説」、身近で容易な事から学びだんだんと深い道理に通じる「下学上達」、物事の道理や本質を追求して学問を深める「格物致知」、頑固で視野が狭く道理をわきまえない「頑迷固陋」などがあります。

大義名分の難易度

「大義名分」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”義”は6級で小学校高学年レベル、”分”は9級、”大”と”名”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

大義名分のまとめ

「大義名分」は人や臣として守るべき道義や節度という意味で、現在は事を起こす理由や根拠に意義といった解釈でも使われます。政界や議員などが好んで使う事から大変重く意義ある言葉とする一方、言い訳じみた便利な言葉という側面もあり、そこが偉人・孔子が編み出しながらも本質的には大きく乖離している残念なところです。

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