【同工異曲(どうこういきょく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

同工異曲(どうこういきょく)

似ている二つに対して、昔から「団栗の背比べ」や「五十歩百歩」という言葉で表現してきましたよね。今回の「同工異曲」も同じような使い方が出来る言葉で、双方に大差がない時に用います。「同工異曲」と類似の言葉は発祥や由来で明確な違いはありますが、結局のところ時代や国が変わっても考える事は同じなのでしょう。それこそ人は違っても中身は同じとする「同工異曲」であると思えてしまいますが、では詳しい解説に入らせて頂きます。

同工異曲の意味

「同工異曲」の意味は以下の通りです。
・外見は違っても中身は同じ。見た目は違っても内容は似たり寄ったり。
・音楽や詩文では技量が同じでも趣が違うので転じて、音楽演奏の手法は同じでも味わいが違う。
・逆さにした「異曲同工」も同義となる。
”同工”は「同じ手際」「同じやり方」、”異曲”は「異なる曲」「違った曲」となり、音楽の演奏手法は同じだが趣が異なるとなります。要するに「同工異曲」は二つの意味があり、それが一見すると相反するようなので、混乱を招く恐れがあります。一つ目の音楽や詩文などに対しては、同じ様な演奏テクニックや文章でも個人差から趣が違ってくる事です。ですから、第一印象は似ていても実はまったく違うとも理解できます。二つ目は音楽などから転じて、見掛け違いはあるが中身は同じや大差がないという意味です。基本的には「同工異曲」はこちらの印象を抱く人が多いようです。それは、類語となる諺「団栗の背比べ」「五十歩百歩」などがこの様な意味なので、同じ様に理解してしまうからです。よって、まとめると「(音楽演奏などで)似ているが趣が違う」「外見違うが中身は同じ」の二つとなります。

同工異曲の由来・出典

「同工異曲」の由来は、中国唐代中期の文人「韓愈」の「進学解」となります。

同工異曲の類義語・同義語

「同工異曲」の類義語は「大同小異」、四字熟語以外では諺「団栗の背比べ」「五十歩百歩」などが挙げられます。

同工異曲の使い方・例文

例文1.双子の兄弟は髪型や服装を変えるなど努力をしているが、友人達から言わせると同工異曲で性格や話し方はまったく同じだそうだ。
例文2.渋谷を歩く若者は自分は他とは違うと主張したいが、スマホ片手に同じファッションで同じ話題に振り回され、結局は無個性な同工異曲以外の何者でもない。
例文3.新しい時代を象徴するヒット曲は共通して過去から因習しているが、新しい試みもプラスされそれが同工異曲として支持を集めたのだろう。
例文4.ハロウィンの仮装も一人だけ派手な格好なら大いに目立つが、あれだけ多いと同工異曲で逆に普通がいちばん目立つという皮肉さがある。
例文5.政治家や大学教授が執筆した現代を風刺めいた数々の書籍は、表紙が違っても中身は他と大差がないのでこれこそ同工異曲である。
双子の兄弟、政治家の本、渋谷の若者などに「同工異曲」を使った例文となります。

同工異曲の会話例

男性
最近のヒット曲は、どれも同じに聴こえない?
女性
それはあなたが年取ったからよ!
男性
そうかなー。でも、昔はもっと普遍的なメロディな曲が多くて、人々を感動させたと思うけどな。
女性
気のせいよ。同工異曲って言うでしょう。少しは似ているのは仕方がないけど、本質というか趣はやっぱり違うわよ。それに、あなたが聴いていた時代のヒット曲もさらに昔の曲から影響され、その頃は似ているって批判されていたのよ。

夫婦が最近のヒット曲について会話を繰り広げます。

同工異曲の豆知識

「同工異曲」は音楽を発祥としている言葉でもあるので、同じ様に音楽に関連する四字熟語は「益者三楽」「高山流水」「繁絃急管」「北窓三友」などがあります。古代中国では、音楽は余興での楽しみという側面が強かったので、基本的には良い意味が込められています。例えば、「繁絃急管」は楽曲後半の盛り上がる部分を指しているので、現在でもカラオケなどで使える意味を含む言葉ではないでしょうか。

同工異曲の難易度

「同工異曲」は漢字検定5級から9級相当の文字組み合わせで、”異”は5級で小学校高学年レベル、”曲”は8級で小学校中学年レベル、”同”と”工”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

同工異曲のまとめ

「同工異曲」は音楽や詩文を作る手法から誕生した言葉とされ、そこから技量は同じだが趣が異なると、外見は違うが中身は同じという二つの意味を含む四字熟語です。一般的には、後者の中身が瓜二つ的で使われがちですが、前者の意味もある事を理解しておきましょう。

同工異曲な三つのりんご
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