武運長久(ぶうんちょうきゅう)
西洋や東洋を問わずに幸運を意味する言葉は大変多いですが、今回の「武運長久」は”戦闘時の幸運”と限定しているのが明確な違いとなります。それだけに使用頻度は限定されますが、だからこそ覚えやすく忘れる事もないと思います。それでは詳しい解説となります。
武運長久の意味
「武運長久」の意味は以下の通りです。
・戦いや戦場での幸運が長く続く事。
・兵士や軍人がいつまでも無事でいられる事。
要するに、戦争や兵士の幸運を期待する四字熟語が「武運長久」です。戦場での不運は即ち”死”に繋がるので、幸運であるとそれだけ長く生きていられる事になります。幸運が出来るだけ長く続けば、一日でも長生きをするので、最終的には家族の元に戻っていける期待が高まるのです。”武運”は「戦闘や戦場の幸運」、”長久”は「終わらないで長く続く」という意味になります。
武運長久の由来・出典
「武運長久」の由来は残念ながら不明です。中国ではなく日本発祥と推測できますが、詳細は分かりません。文献としては、”武運”は日本の古典文学「太平記」(1318年頃)、”長久”は菅原道真による平安時代前期の漢詩文集「菅家文草」(900年頃)などに文言が残されています。
武運長久の類義語・同義語
「武運長久」の様に戦いにおける幸運の類語は、四字熟語には存在しません。広い意味での幸運なら、「一陽来復」「千載一遇」「天佑神助」などが当て嵌まります。
武運長久の使い方・例文
例文1.戦国時代の兵士や武将は、合戦前に各々が武運長久を願ったに違いない。
例文2.米ソ冷戦時代に突入して実際の戦争は著しく減ったが、今度はスパイや情報合戦が主流となり、武運長久もまた姿を変えたと言えるのではないか。
例文3.海上自衛隊所属の兄が尖閣諸島周辺のパトロールが任務となり、家族全員が武運長久となるよう願った。
例文4.織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の中で武運長久に恵まれたのは、徳川家康で確定だ。
例文5.米軍は映画などの印象で、ロックやラップを大音量でかけて陽気に武運長久となる様に願っている気がする。
武運長久を使った例文となります。
武運長久の会話例
映画をみて武運長久を思い出している会話例です。
武運長久の豆知識
「武運長久」が近年注目されたのは、大人気漫画・アニメの「鬼滅の刃」が関係しています。作品の公式WEBラジオでは、「武運長久を祈ります」という名のコーナーが設けられ、またファンが高校卒業で「武運長久を祈ります」と書かれた黒板アートの画像をツイッターに投稿し、それが拡散され話題になったからです。
武運長久の難易度
「武運長久」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、小学校高学年から低学年レベルの四字熟語となります。
武運長久のまとめ
「武運長久」は、兵士や軍人など戦いや戦場での幸運が長く続くようにという意味の四字熟語です。また、兵士などへの無事を祈る意味もあり、この様な使い方が限定される特別な言葉となります。四字熟語には幸運や不運に関するものは多いですが、その中でも戦いや兵士などに特化しているのは、かなり稀なので、逆に覚えやすい言葉でもあります。