【衣錦之栄(いきんのえい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

衣錦之栄(いきんのえい)

「衣錦之栄」とは「出世して煌びやかな衣類をまとい故郷に帰る栄誉の事」です。芸能人などが成功を収めて有名になり地元に帰る様を想像しますが、実際には当然ながら一般人でも用いる表現です。要するに、成功すると裕福になるのでそれだけ衣類にもお金をかけられ、そんな恰好で帰るのは本人や家族にも栄誉や名誉という事なのでしょう。現在は何もそんな派手な服装をする人いませんが、飽く迄も喩えとして用いられ、「衣錦之栄」とすれば成功の証的な扱いとなります。それでは、詳しい解説に入らせて頂きます。

衣錦之栄の意味

「衣錦之栄」の意味は以下の通りです。
・立身出世して富貴になり派手な衣服で故郷に帰るのが栄誉の喩え。
・富と地位を得て錦の衣服で故郷に帰る名誉。成功して錦の着物で故郷に帰る。
・諺「衣錦の栄」「故郷に錦を飾る」も同義。
”衣錦”は「金や銀の糸で織り込んだ美しい着物」「煌びやかな衣類」、”栄”は「名誉・栄誉」「盛ん」「優れていると認められた名誉」となり、金や銀などの派手な着物(衣類)で故郷に帰る栄誉となり、要するに都会等に出て出世して堂々と故郷に凱旋するのが「衣錦之栄」です。厳密には、煌びやかな着物や衣類から女性に対しての表現と解釈できますが、立身出世して地元に帰るは当時は男性に使われる表現と理解できます。従って、実際には男女関係なく「衣錦之栄」と用いられるようです。有名な諺の「故郷に錦を飾る」と同義で、元になったのが「衣錦之栄」でもあります。実際に使用する際には、読点を用いた「衣錦之栄、」や「衣錦之栄を祝う」「衣錦之栄を達成」「衣錦之栄が叶う」等になります。

衣錦之栄の由来・出典

「衣錦之栄」の由来は、中国北宋時代の政治家・欧陽脩の詩「昼錦堂記」となります。

衣錦之栄の類義語・同義語

「衣錦之栄」の類義語には、「衣錦還郷」などが挙げられます。

衣錦之栄の使い方・例文

例文1.プロスケーターとして成功した弟は自信がついたのか、衣錦之栄として堂々と地元に帰ってきたが、残念ながらマイナースポーツで家族以外は誰もその凄さを理解していない。
例文2.昔は戦地から帰ってきた軍人も、ある意味で衣錦之栄として名誉の帰還扱いだったのだろう。
例文3.東京で成功をして衣錦之栄、その時は苦労をかけた両親もきっと喜んでくれるだろう。
例文4.普段はおちゃらけているが、胸の奥には衣錦之栄を絶対に達成するという熱い思いがある。
例文5.かつては衣錦之栄した有名人には、町や村全体で盛大に祝ったそうだが、最近はそんな文化も廃れて我が町のヒーローは居なくなりつつある。
故郷に凱旋する成功者などを「衣錦之栄」とした例文です。

衣錦之栄の会話例

男性
国家資格の合格おめでとう!
女性
ちょっとやめてよ。国家資格って言っても、看護師なんだから。殆どの人は受かるんだよ!
男性
いやいや、そんな事はないよ。大したものだよ。俺なんて、車の普通免許も2回落ちたからね。
女性
あなたは特殊なケースなの。でも、これで田舎の両親には一応は格好がついたから、衣錦之栄で帰れるよね。

看護師の国家資格に合格した彼女と喜ぶ彼氏との微笑ましい会話やり取りです。

衣錦之栄の豆知識

「衣錦之栄」と同じ様に”名誉”に関連する四字熟語は、失った信用を取り戻す「名誉挽回」、世間の評判が一新して高い評価となる「面目一新」、名声や世間体がよくなる「面目躍如」、道理を知る者は名誉の為に命を捧げる「烈士徇名」などがあります。

衣錦之栄の難易度

「衣錦之栄」は漢字検定準1級から7級相当の文字組み合わせで、”之”は準1級で大学一般レベル、”錦”は2級で高校卒業レベル、”衣”と”栄”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

衣錦之栄のまとめ

「衣錦之栄」は成功して身なりの良い服を身にまとい故郷に帰るのは栄誉という事です。要するに、東京など都会で成功をして地元に帰るのは堂々と出来るので、派手な洋服なども様になり大変見栄えが良くなるという事です。元々は金や銀の糸で織り込んだ着物で、また有名な諺「故郷に錦を飾る」とも同義扱いとなります。

古い村では衣錦之栄で成人を迎えるところがある。
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