【一陽来復(いちようらいふく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

一陽来復(いちようらいふく)

もしかしたらラーメン店や中華料理屋を連想させる言葉にも見えなくもないのが、今回の「一陽来復」です。一見すると分かり辛いですが、実は季節を表す言葉で、また映画や楽曲タイトルに使用されるなど人々にとって親しみがある言葉でもあります。そんな「一陽来復」について解説となります。

一陽来復の意味

「一陽来復」の意味は以下の通りです。
・陰暦11月頃(現在の12~1月頃)。冬至。
・冬が終わり春が訪れる。新年を迎える。
・悪い事が終わり良い方向に向かう。陰が陽になる。
要するに、季節としての冬や春に新年、そして良い状態になるという意味が込められている四字熟語です。春と冬の両方を意味するのは矛盾しそうですが、冬至というのは最も夜が長い日なので、これ以上寒く(悪く)ならない例えとして用いられる表現でもあります。また、実際の使い方としては新年や新春、悪い事から良い方向に変わりつつある時に用いられる事が多いです。”一陽”は「新年」「新春」「幸運が向いてくる」、”来復”は「一度去ったものが再びやってくる」という意味です。

一陽来復の由来・出典

「一陽来復」の由来は、古代中国の書物「易経」の「復」とされます。その後の文献としては、室町軍記の「明徳記」(1392年)、室町時代の僧・愚中周及の「佛徳大通禅師語録」(別名:丱余集、1409年)などに文言が残されています。

一陽来復の類義語・同義語

「一陽来復」の類義語には、「七転八起」「捲土重来」などが挙げられます。

一陽来復の使い方・例文

例文1.冬の雪景色の中を散歩していると体が温まり一陽来復を感じ始めた。
例文2.母が入院した時は驚いたが、日に日に状態が良くなり一陽来復だと安心した。
例文3.どんなに苦労しても、明けない夜がないように一陽来復となる事を信じて頑張るだけだ。
例文4.春になり草花の成長を感じると、一陽来復なんだと今年もまた思う。
例文5.仕事が長年不調だったが、一陽来復を胸に刻みひたすらやり続けたら、今では上司にも評価されるようになった。
一陽来復になるまで頑張るしかないですね。

一陽来復の会話例

男性
お疲れ様です。
女性
お疲れ、今日はどうだった?
男性
ダメでした。一日中歩き回って、契約ゼロです。
女性
明日から一陽来復となって段々と契約が取れるようになる。そう信じて頑張れ。

結果が出なくても一陽来復になるまで頑張る事が大事です。

一陽来復の豆知識

古代中国の書物「易経」は占いを中心とした中身ですが、思想や哲学についても多く語られています。「一陽来復」を易として見ると、人々は秋頃から陰が強まり運気が悪くなり、それが冬終わり頃から春にかけて陽に変わり運気が上がるとされています。しかし、これではどんな人も常に運気の良し悪しを繰り替えすので、それを穴埋めするのが思想や哲学なのです。

一陽来復の難易度

「一陽来復」は漢字検定6級から10級相当で、小学校卒業レベルの容易な四字熟語となります。

一陽来復のまとめ

「一陽来復」は、陰暦11月や冬至、新年や新春、悪い事が終わり良い方向に向かうという意味が込められた四字熟語です。季節を表す際にも用いられますが、それより運気が良くなる際の代表的な喩えという言葉として定着しています。

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