青天霹靂(せいてんのへきれき)
四字熟語としても当然有名な｢青天霹靂｣ですが、お笑い芸人ファンなら劇団ひとりさんの小説や映画タイトルとしても知られていますよね。本来の意味は、衝撃や驚きといったものですが、それを天候で表現しています。その一方で｢青天霹靂｣は解釈が難しく、どの程度の衝撃や驚きかは今でも意見が分かれるほどで、それぐらい注目を集める言葉なのでしょう。それでは、解説を始めさせて頂きます。
青天霹靂の意味
｢青天霹靂｣の意味は以下の通りです。
・快晴の青空に突如雷が落ちるように、大きな衝撃や事件が起きた時の喩えや表現。
・前触れや予想もしなかった出来事や変動が発生。
・突然の出来事や大事件に対する喩え。
・諺｢青天の霹靂｣、｢晴天霹靂｣も同義となる。
異論もあるかも知れませんが、本来は世間を騒がす程の大きな出来事、又は個人でも相当なショックな事が｢青天霹靂｣となります。晴れ渡った空に雷が轟くほどの稀な現象と喩えているので、他愛もない軽い驚きは該当しません。理由として、晴天の雷はそれを見た誰もが驚きを共感できます。また、聞いた人も驚くべき現象と納得します。それが最近は、他人が見聞きしたら大した事はない個人の出来事でも、｢青天霹靂｣が使用される傾向です。その使い方でも、意味が理解できてしまうのが、少々複雑ではないでしょうか。その一方、元となる漢文では、｢病気だった者が突如起き上がり、筆で文字を書き始めた｣行為が驚きで、そこから誕生したとされています。どこまで解釈可能として、どのぐらいの驚きや事件とするべきかは、判別難しいのが現状です。”青天”は｢青空｣｢蒼天｣、”霹靂”は｢雷｣｢いかづち｣｢雷鳴｣という意味です。
青天霹靂の由来・出典
｢青天霹靂｣の由来は、古代中国の詩人･陸游による詩｢九月四日鶏未鳴起作｣の一部となります。
青天霹靂の類義語・同義語
｢青天霹靂｣の類義語には、｢驚天動地｣｢震天動地｣｢心慌意乱｣などが挙げられます。
青天霹靂の使い方・例文
例文1.まさかあの長期政権が突如内閣総辞職をするとは、懇意にしていた記者も青天霹靂だろう。
例文2.日本がサッカーW杯で優勝するとは、それが女子代表でも青天霹靂であり何物にも代え難い喜びである。
例文3.オウム真理教の教祖が逮捕されたのは、日本の歴代事件でもトップクラスの青天霹靂であった。
例文4.世界中を混乱と脅威に陥れ、上級国民から下級国民まで青天霹靂で覆い尽くしたのがコロナ渦である。
例文5.まさかマスクや消毒液からトイレットペッパーまで品薄になるとは、青天霹靂そのものである。
コロナ渦はいつ終わるのでしょうか…
青天霹靂の会話例
家で仕事ができることはとても幸せなことですね。
青天霹靂の豆知識
｢青天霹靂｣の様に”青天”を使った四字熟語は｢青天白日｣｢白日青天｣、”霹靂”を使ったのは｢霹靂一声｣｢霹靂閃電｣があります。｢青天白日｣と｢白日青天｣は同義で晴れ渡った青空、｢霹靂一声｣は落雷が轟く、大声で怒鳴る、｢霹靂閃電｣は勢いがあり素早いという意味があります。
青天霹靂の難易度
｢青天霹靂｣は漢字検定1級から10級相当で、”霹靂”が大学一般レベルで”青天”は小学校低学年レベルの四字熟語となります。
青天霹靂のまとめ
｢青天霹靂｣は、突然大変な出来事や事件が起こり、驚きや衝撃を受けた時に喩えとして使用する四字熟語です。しかし、あまりにも大事だけに拘ると使い勝手が悪くなるので、今では個人レベルの驚きなどで使用するのも容認される傾向です。本来の解釈がどちらなのかは判断が難しいですが、時代と共に変化するのが望ましい形なのかも知れません。
