【観測気球(かんそくききゅう)】の意味と例文と使い方

観測気球(かんそくききゅう)

「観測気球」というと、熱気球をまず最初に想像してしまいます。大自然の中で、人を乗せて空高く舞い上がる様はロマンがありますよね。一度で良いから体感してみたいと感じる人は、相当多い事でしょう。一方、近年は小型の気球が気象観測としても使われていますし、政治家の特定発言を「観測気球」や「アドバルーン発言」としてメディアがこぞって取り上げる事もあります。そんないくつもの意味合いがある「観測気球」について調べてみました。

観測気球の意味

「観測気球」の意味は以下の通りです。
・気象や大気の状態を調べる気球で、水素やヘリウムガスによって空中を浮揚する。
・軍事目的で、敵情視察や砲弾の着弾状態を調べる為に使う気球。
・政治や経済等で世間の反応を確かめる為に故意に流す真偽情報や発表で、「バロンデッセ」「アドバルーン発言」「観測発言」とも呼ばれる。

”観測”は「自然現象を観察と測定する」「変化や成り行きを予測する」、”気球”は「空気または水素やヘリウムなどのガスの浮力を利用して空中を浮遊する球状な物」となり、この二つを合わせた「観測気球」は大きく二つの意味があります。一つは実際に打ち上げる気球で、その目的は主に気象や大気測定と軍事目的です。もう一つは、実際の気球を打ち上げるのではなく、比喩として世論動向を確認する事を「観測気球」と例えます。実物の気球としては、目的によって種類や大きさも変化しますが、気象測定なら一般的には全長2m弱で重さ500キロ以下(日本の場合)の大きさで、これが高度約30キロで破裂して観測終了となります。世論目的とする「観測気球」は「アドバルーン発言」等々とも呼ばれ、政治家がわざと不用意な発言をして世間の反応を確かめたり、企業が新商品の情報を先出しするなどその方法は多岐に渡ります。直近では、菅総理の携帯料金の引き下げ発言などは「観測気球」であり、他にも過去にはガソリン税廃止、年金記録問題、定額給付金支給なども該当しそうです。海外に目を向けると、トランプ大統領などは「観測気球」だらけで、最早どれが真実でありどれが反応を確かめるものなのか判断が出来ない程です。かつては、懇意にしている新聞記者などだけに情報を流し、それが紙面に登場して世間の反応を確認したのですが、現在はTwitterなどのSNSを権力者が好きなように利用するので、熱心な支持者は常に応援して反対のアンチはどんな話題でも批判するので、「観測気球」そのものの効果も薄れていると言えるのかも知れません。

観測気球の由来・出典

世論の反応を確かめる意味での「観測気球」の由来は、残念ながら不明です。空を舞い上がる気球としての歴史は、1709年にポルトガル人神父・バルトロメウ・デ・グスマン氏が人類初の無人熱気球を成功させました。

観測気球の類義語・同義語

「観測気球」の類義語には、「観測記事」「測風気球」「政治広告」「陽動作戦」「大風呂敷」などが挙げられます。

観測気球の使い方・例文

例文1.元知事が番組出演で大胆な発言を繰り返すと、お得意の観測気球をまた出し始めたと勘繰ってしまう。
例文2.空を見上げていたら、観測気球っぽいがよく見ると未確認飛行物体を発見し思わず声を上げてしまった。
例文3.観測気球は最早、世論反応を確かめる効果は薄いと言わざるを得ない。
例文4.友人はTwitterで観測気球として、嘘情報ばかりを流していたらアカウントが停止された。
例文5.職場で数カ月前からボーナスに関する情報が出始めたので、同僚と何かと話題にしていたら、ある一人がそれは単なる観測気球だと言い放ち、皆が冷静さを取り戻した。
職場や元知事のアドバルーン発言、実際の気球などで「観測気球」とした例文となります。

観測気球の会話例

男性
そろそろ付き合って2年だよね…。
女性
もう2年だね。楽しかったから、あっという間だったなー。
男性
だから、俺も真剣に将来を考えているよ。
女性
それって、結婚って事だよね…。観測気球を上げるだけ上げて、私の反応を楽しんでいるだけじゃないよね。ちゃんと、将来を考えてくれいるんだよね。

恋人同士が将来の結婚について会話を繰り広げます。

観測気球の豆知識

「観測気球」は「アドバルーン発言」とも言うので、”アドバルーン”についての解説となります。気球は人を乗せたり気象観測などが目的ですが、アドバルーンは広告として使われるのが一般的です。意外にも歴史は古く大正時代の日本が発祥とされ、その後はパチンコ屋やデパート屋上に宣伝のアドバルーンが揚げられ絶大な効果を発揮していました。しかし、時代がす進むと強風の事故も問題視され、徐々に減少していきます。現在は大都市では問題が多くかなり少ないですが、地方では規制が緩いのか未だに新規店のオープンではアドバルーンが舞い上がっています。

観測気球の難易度

「観測気球」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”測”は6級で小学校高学年レベル、”観”は7級、”球”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”気”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

観測気球のまとめ

「観測気球」は、気象観測などで空高く舞い上がる物と政治などで世間の反応を確かめる二つの意味があります。世間の反応を確かめるのは「アドバルーン発言」「バロンデッセ」とも呼ばれ、一般的にはこれらの意味合いで「観測気球」と例える場合が多いです。特に政治家や有名人などが、問題発言や過剰発言、或いは情報を先出しするなどは全て、国民の反応を確かめる意図があるのではと勘繰ってしまうほどです。近年はTwitterなどで自ら不用意発言をして、それに過剰に反応する人々も多いので、どこまでが反応を確かめる意味や効果があるのか疑問視されています。

観測気球を空に飛ばす
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