【百折不撓(ひゃくせつふとう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

百折不撓(ひゃくせつふとう)

かつては逆境でも不屈の精神で立ち上がるのが、少年漫画や青春ドラマなどの定番でした。所謂、熱血や青春系作品で漫画なら「あしたのジョー」「はじめの一歩」「弱虫ペダル」など、映画やドラマなら「ロッキー」「ダイ・ハード」「スクールウォーズ」などの主人公はまさに典型で、読者や観客はそんな生き様に魅了されたのです。こんな作品は、主人公が困難な状況を何度も乗り越えるのが共通点で、その内に感情移入をしていつしか夢中になってしまうのです。そんな様を表現する四字熟語「百折不撓」についての解説となります。

百折不撓の意味

「百折不撓」の意味は以下の通りです。
・何度失敗や挫折してもその度に立ち上がる。
・何度失敗しても志や信念を曲げない。
”百折”は「何度も挫ける」「何度も(精神が)折れる」、”不撓”は「どんな困難にも屈しない」「困難にひるまない」「心が挫けない」となり、「何度挫けそうになってもそれでも心は挫けない」「何度挫折してもその度に立ち上がる」といった上記の様な意味合いとなります。要するに、最終的な結果云々よりも、諦めない強い精神力が大事と説いている精神論的な言葉です。言葉として近いのは「試合に負けて勝負に勝った」「踏まれても打たれても」「一生懸命」「勝つまでやめない」といった感じで、実際に使用する際には「百折不撓の精神」「百折不撓の気持ち」となり、努力や根性を象徴する前時代的な言葉と言っても過言ではありません。

百折不撓の由来・出典

「百折不撓」の由来は、中国後漢時代末期の政治家・蔡邕の「橋大尉碑」となります。

百折不撓の類義語・同義語

「百折不撓」の類義語には、「鉄心石腸」「七転八起」「不撓不屈」などが挙げられます。

百折不撓の使い方・例文

例文1.友人は就職しては仕事の不満からスグに辞めてしまうが、その度に自棄にならず再就職を果たすので百折不撓の精神を持ち合わせているのは事実なようだ。
例文2.最近の若い連中に言わせると、百折不撓をするのはコスパが悪いだけでなく当初の計画から無理があった自己責任で片付けられるそうだ。
例文3.そもそも上流階級なら百折不撓な事もしないですむのだろう。
例文4.経済成長期なら百折不撓の理屈が通るだろうが、現在は一度の失敗で人生が終了する厳しい時代だ。
例文5.主人公が困難にぶつかっても百折不撓する作品が、昭和時代の少年漫画の定番であった。
「百折不撓」を素直に使ったものから、変わった使い方までの例文となります。

百折不撓の会話例

男性
そろそろ、映画が始まるよ。
女性
何とか間に合ったー。最近は午後9時からいい映画ばかりだから、時間調整が大変。
男性
そうだね。ところで俺、途中で寝ちゃうと思うけど、10時半頃に起こしてくれない?
女性
えー。それって、アメリカンヒーローものだから、百折不撓となる中盤までは興味がないって事でしょう。

とある夫婦が仲良くテレビの映画鑑賞に入る直前の会話となります。

百折不撓の豆知識

「百折不撓」は現在で言うなら「根性論」めいたものであり、それは若い世代には受け入れられない昭和世代など特有の思想です。「根性論」は1964年の東京五輪で女子バレー日本代表の監督・大松博文さんによって浸透した言葉で、その後スポーツだけでなく受験勉強や仕事などあらゆる場で使われてきました。疲れた、眠い、調子が悪いなどは全て精神が弛んでいるからで、根性があれば克服できるという理屈です。これを正面から否定するのは、2000年代に入るまでは無理な社会構造が日本だったのです。

百折不撓の難易度

「百折不撓」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”撓”は1級で大学一般レベル、”折”と”不”は7級で小学校中学年レベル、”百”は10級で小学校低学レベルの四字熟語となります。

百折不撓のまとめ

「百折不撓」は、昔ながらの日本の根性論を四字熟語にした言葉とも言え、失敗や困難な状況でも何度も立ち上がるという意味になります。云わば不屈の精神そのもので、負けたのは気合が足りなかったから、根性がないから立ち上がれないと通じるものがあります。一方、何度も立ち上がる精神力の強さが様々な面で重要なのも事実です。

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