【勤倹力行(きんけんりっこう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

勤倹力行(きんけんりっこう)

真面目や勤勉とする扱いの四字熟語の中でも、あまり有名ではないのが「勤倹力行」ではないでしょうか。もちろん知っている人も多いですが、咄嗟に出てくる言葉ではないですよね。それでは、どの様な意味があるのか解説をさせて頂きます。

勤倹力行の意味

「勤倹力行」の意味は以下の通りです。
・真面目に働き質素に暮らし努力を続ける。
・勤勉に励みつつましやかに努力をする。
勤勉倹約で努力を重ねる事が「勤倹力行」です。昔ながらの真面目な生き方で、古き良き日本人の姿勢とする向きもあります。要するに、真面目に働き質素な暮らしを送るのが良しとする考えや教えです。”勤倹”は「勤勉で倹約」「真面目で無駄遣いをしない」、”力行”には「努力をする」「仕事などを努力する」という意味があります。また、”力行”には「りきこう」「りょっこう」などの読み方もするので、「きんけんりきこう」や「きんけんりょっこう」と読むのも正しいです。

勤倹力行の由来・出典

「勤倹力行」の由来は不明ですが、文献としては明治時代の評論家・人見一太郎の著書「第二之維新」に一文が登場します。

勤倹力行の類義語・同義語

「勤倹力行」の類義語には、「苦学力行」「精励恪勤」「奮励努力」などが挙げられます。

勤倹力行の使い方・例文

例文1.家計を支える兄はバイトと勉強の毎日で、その姿は勤倹力行そのものである。
例文2.父親に仕事の不満をもらしたら、勤倹力行な精神が少しはないのかと苦言を呈された。
例文3.昔の学生は下宿先でお世話になる事も多く、勤倹力行という生き方が染みついているようだ。
例文4.勤倹力行で暮らしていた父が、離婚を機に若い女性にのぼせ上がり、人が変わったように散財をするようになり驚いた。
例文5.オレオレ詐欺の犯行グループには、勤倹力行を説いても鼻であしらわれ無駄骨となるだけだ。
最近は真面目に勤倹力行で暮らしている人が損をするような時代でもあるので、複雑な気持ちになりますね。

勤倹力行の会話例

男性
僕スマホをまだ持ってないんだよね。
女性
今時珍しいね。
男性
スマホは維持費や本体費が高いからさ。
女性
勤倹力行な生活を心がけているんだね。

今のスマホは本体代から月額の通信費やら、とにかく高すぎますよね。

勤倹力行の豆知識

質素を奨励する「勤倹力行」は、1910年〜1920年頃の大正デモクラシーの際に、スローガンとして多く登場した。政府は勤倹力行を国民運動として、人々に「消費節約」「勤倹貯蓄」をするよう促し、現代では考えられない思想教育を実行してきた。それに抵抗感がある人は「勤倹力行」を快く思わないが、今では”質素”や”勤勉”という側面だけが残り、古き悪習は忘れ去られている。

勤倹力行の難易度

「勤倹力行」は漢字検定3級相当なので、中学校卒業レベルの容易な四字熟語となります。

勤倹力行のまとめ

「勤倹力行」は、真面目に働き質素に暮らす、勤勉で努力を重ねるといった意味を持つ言葉です。勤勉や質素というのが重要で、昔の日本人らしい貧しくても努力をするという解釈が可能です。歴史を辿ると、大正デモクラシーでの国民コントロールでスローガンという側面もありますが、それでも本来の言葉としては罪がありません。

勤倹力行をコツコツ実践する男性
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