【苦学力行(くがくりっこう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

苦学力行(くがくりっこう)

四字熟語には似たような意味を持つ言葉が多く、今回の「苦学力行」は「勤倹力行」や「節倹力行」と混同して覚えている人も多いと思います。苦労を良しとする、努力をするべき的な解釈となるので、要点はどれも同じですが、「苦学力行」は学生や学校を意味する”学”が付いているので、そこが他とは異なります。それでは、より詳しい解説となります。

苦学力行の意味

「苦学力行」の意味は以下の通りです。
・働きながら学校に通い学業に励む。学業と仕事を両立させる。
・苦労しながら学問を学ぶ。学校に通い学業も励みながら、学費を自ら稼ぐために働く。
仕事と学業を両立させるのが「苦学力行」です。単に、苦労しながら学業に励むという意味もありますが、本人自らが働き学業にも励む方が一層苦しいのは事実なので、この方が「苦学力行」に相応しいと解釈できます。”苦学”には「苦労を重ねて学問を学ぶ」「働いて学費や生活費を作り勉強する」、”力行”は「努力」「仕事などを努力する」という意味があります。また、”力行”は「りきこう」や「りょっこう」とも読むので、「くがくりきこう」「くがくりょっこう」と読むのも正しいです。

苦学力行の由来・出典

「苦学力行」の由来は、古代中国の歴史書「晋書」の「車胤伝」となります。政治家として成功した車胤も若い時は貧しく、袋に入れた蛍の光で勉強をしたのがあまりにも有名です。この逸話が「苦学力行」の元とされています。

苦学力行の類義語・同義語

「苦学力行」の類義語には、「勤倹力行」「節倹力行」「蛍雪之功」などが挙げられます。

苦学力行の使い方・例文

例文1.実家も生活が苦しいので、バイトに明け暮れながらも成績優秀で大学を卒業した自分は、我ながら現代版の苦学力行だと自賛できる。
例文2.一度は高校卒業で就職したが、その後大学に入り直した友人は、人生を切り開く為に苦学力行を実践している。
例文3.コロナ渦によって経済は大混乱だが、若い人には苦学力行を胸に頑張って欲しい。
例文4.現在の大企業も、創業者は苦学力行で必死に学業と仕事を両立させた人が多い。
例文5.苦学力行は現代に似合わないかも知れないが、若い時の苦労を知っている人は根性があるので、いずれは大成する可能性が高い。
苦学力行する事ができる人はきっと頭が良いので、将来有望ですね。

苦学力行の会話例

男性
毎月実家に仕送りしているって、聞いたよ。ちょっと偉いねー。
女性
弟がまだ学生だから、お金が掛かるから仕方がないですよ。
男性
それでも、東京で一人暮らしをしながら実家に仕送りって、なかなか出来ないよ。
女性
僕は学生時代、苦学力行で辛かったから…。家族や弟には同じ思いをさせたくないんです。

自分のために勉強をしつつ、働いて家族も養っていけたら本当はすごいですよね。

苦学力行の豆知識

「苦学力行」の由来となったのは、前述した古代中国の歴史書「晋書」の「車胤伝」ですが、同じ背景で誕生した「蛍雪之功」という四字熟語も大変有名です。「蛍雪之功」は卒業式の定番唱歌「蛍の光」の歌詞とにも引用されています。因みに原曲はスコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」です。

苦学力行の難易度

「苦学力行」は漢字検定5級相当で、小学校卒業レベルの容易な四字熟語となります。

苦学力行のまとめ

「苦学力行」は、仕事と学業を両立させる意味を持つ四字熟語です。働きながら学校に通うのは大変苦労するので、そこから苦労しながらも学問に励む人に対しても使われます。

幼いながらも苦学力行する少年
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