【文武百官(ぶんぶひゃっかん)】の意味と例文と使い方

文武百官(ぶんぶひゃっかん)

公務員を目指す学生なら、採用試験などに登場する可能性もありますが、常識として覚えておくべき四字熟語が「文武百官」です。もちろんそれ以外の方も覚えて損はありませんし、正確な使い方ではないですが、役人以外の一般企業でも「文武両道」的なニュアンスで使われる事も多いです。それでは、詳しい意味の解説となります。

文武百官の意味

「文武百官」の意味は以下の通りです。
・全ての役人。全員の文官と武官。
・行政や司法などの文官、軍事の武官を合わせた大勢の役人。
”文武”は「文事と武事」「学問と武芸」という意味もありますが、今回は”文官”と”武官”に”百”を合わせた言葉となります。文官”は「行政や司法に携わる役人」「軍事以外の行政事務の者」、”武官”は「軍事の役人」、”百”は「多くのもの」となり、上記の様な意味となります。それなら、単に”役人”と使っても良いのではと疑問も生じるでしょうが、現在は”役人”と使うとそこには”公務員”となり軍事的な意味合いは皆無となります。ですから、「文武百官」とする事で軍事も含めた”全役人”となります。また、軍事の役人を他の役人と対等の位置付けにしているとも窺えます。

文武百官の由来・出典

「文武百官」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”文官”は律令の解説書「令義解」(833年)、”武官”は平安時代初期の勅撰史書「続日本紀」(698年)や「令義解」に文言が残されています。

文武百官の類義語・同義語

「文武百官」の類義語は、四字熟語では残念ながらありません。四字熟語以外では、「官公吏」「公務員」「官吏」などが挙げられます。

文武百官の使い方・例文

例文1.一代で財を築いた成功者の父に、跡継ぎを拒否して公務員になると告げたら、文武百官に成り下がるのかと見下された。
例文2.戦前の日本では役人は文武百官として地位が高く、庶民にとっては疎ましい存在だった。
例文3.祖父は幼少期に戦争を経験しているので、公務員には文武百官と拒否反応を示す。
例文4.部長は、定時で仕事を切り上げようとする者には、文武百官な気持ちで働くなとブラック企業ならではの強烈な文句をぶつける。定額給付金が一向に振り込まれず遅れているのは、どんなに働いても逆に手を抜いても、文武百官として安定が保障されているからだろう。
例文5.
文武百官を使った例文となります。

文武百官の会話例

男性
公務員試験に受けるんだって! 民間は止めたの?
女性
うん。私は東京に行って働きたいんだけど…。
男性
そうだったよね。Bの家は代々、公務員ばかりなんだよね。長女が家を出て、東京に行くのは難しいのね。
女性
そう。典型的な文武百官で国に仕えるという意識が強くて。時代錯誤も甚だしい家系なの。

公務員試験を受ける女性とその友人の会話です。

文武百官の豆知識

「文武百官」は公務員、「一枚看板」は役者、「閨秀作家」は女流作家、「操觚之士」は執筆業、「人気稼業」は芸能人、「梁上君子」は泥棒とこの様に職業等を形容した四字熟語も多数存在します。また、「文武百官」と混同する事もある「文武両道」は、学芸と武道の両方で優れている人です。

文武百官の難易度

「文武百官」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、小学校高学年から低学年レベルの四字熟語となります。

文武百官のまとめ

「文武百官」は、全ての文官と武官という意味になり、要は全役人を形容した四字熟語です。現代は役人や公務員などの言葉があるので使う頻度は少ないですが、武官は軍事に関係する役人なので、軍事という面も伝えたい時やメッセージとして含ませたい時には、「文武百官」と敢えて使用します。

文武百官の警官
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