【一顧傾国(いっこけいこく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

一顧傾国(いっこけいこく)

「一顧傾国」とは「町中の男達が夢中になる美人から、絶世の美女の事」です。誰が見ても美しいと感じる女性が「一顧傾国」ですが、同時に国を混乱させてしまうので、男を惑わす妖艶な美女というニュアンスに近いものがあると思います。現在なら、高級クラブなど在籍するヤクザや高級官僚を相手にする夜の蝶といった感じでしょうか。そんな少々訳ありな美女「一顧傾国」についての解説となります。

一顧傾国の意味

「一顧傾国」の意味は以下の通りです。
・絶世の美女。美人。
・あまりにも美しい女性が流し目をすると町中の男に加えて君主まで夢中になる事から、人々の心を惑わして政治が行き届かなくなり最後は国(城)が滅んでしまう喩え。
・略した「傾国」、「一顧傾城」も同義。
”一顧”は「一度振り返る」「少し考える」「振り返って見る」、”傾国”は「国家の存立を危うくする」「美人」「美女」「遊女」「遊郭」「君主が心奪われ国を危うくさせる美人」で、美人が振り返って男に色目を使うと最終的には国や城が滅んでしまうのが「一顧傾国」です。そこから基本的には絶世の美女という意味が最も強いですが、思惑がある美人や性格が悪い美女、不思議魅力溢れる美女といったニュアンスでも用いられます。元々は国を傾かせるほどの(危険な)美女なので、大和撫子や三つ指を付くような日本古来の奥ゆかしい女性とは言い難いです。因みに現在は「傾国」だけでも同義ですが、同時に遊女や娼婦という意味合いもあるので、前後の文脈が大切になります。

一顧傾国の由来・出典

「一顧傾国」の由来は、中国後漢時代の歴史書「漢書」の外戚・孝武李夫人伝となります。

一顧傾国の類義語・同義語

「一顧傾国」の類義語には、「傾城傾国」「傾国美女」などが挙げられます。

一顧傾国の使い方・例文

例文1.クラスでいちばん、否学校でもいちばんの一顧傾国と評判だった〇○さんが大学卒業後は女子アナになり、その後は野球選手と結婚をしてその数年後に離婚をして今は汚れなバラエティタレントに成り下がった。
例文2.最近のビットコインの動きはまるで一顧傾国に操られているようで、翻弄されるスケベ心丸出しな投資家は心休まる暇がない。
例文3.女が強くなると男は弱くなり最終的には少子高齢化で、一顧傾国が喩えではなく現実となって国を滅ぼしそうだ。
例文4.五輪など国家を左右する大イベントが控えると、警察は躍起になって一顧傾国な外国スパイに注意を払う。
例文5.一度でいいから一顧傾国と呼ばれる人と交際をしたいものだが、その前に歯医者から美容室に洋服購入など全身大改造をする必要がある。
主に美人で「一顧傾国」を使った例文です。

一顧傾国の会話例

男性
ところで彼氏は出来たの?
女性
そう言うあなたはどうなのよ? 彼女できた?
男性
俺はいいんだよ。もう諦めているから。
女性
そんな弱音を吐かないで、一顧傾国のような人を捕まえる気概はないの。だらしないなー。

職場の同僚男女が互いに交際相手がいるのかという会話をしています。

一顧傾国の豆知識

「一顧傾国」から”美女”に関する四字熟語は、美女の喩え「解語之花」と「曲眉豊頰」、病気に苦しむ美女「西施捧心」、魚や雁も恥じて身を隠すほどの美女「沈魚落雁」、君子や美女の死を意味する「蘭摧玉折」などがあります。

一顧傾国の難易度

「一顧傾国」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、”顧”は3級で中学卒業レベル、”傾”は4級で中学レベル、”国”は9級、”一”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一顧傾国のまとめ

「一顧傾国」は美しい女性が振り返っただけで町中の男が夢中になってしまい、その中には君主もいた事から政治が疎かになり国が傾くほど混乱したという事から、絶世の美女という意味です。国や城が機能不全に陥るほどの美人となるので、それはとんでもない女性なのでしょう。したがって、現在で使う際には素直に絶世の美女ともなりますが、どこか含みを持たせて怪しい美人を「一顧傾国」と称する事もあります。

一顧傾国の女性。
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