暗中飛躍(あんちゅうひやく)
「暗中飛躍」とは「活動している事が世間や人に悟られないように秘密裏に活躍をする事」です。ちょっとしたスパイや諜報活動のような雰囲気もありますが、略語となった「暗躍」の方が馴染み深いのではないでしょうか? それでは「暗中飛躍」の解説となります。
暗中飛躍の意味
「暗中飛躍」の意味は以下の通りです。
・秘かに画策して活躍する事。暗々裏に計画を立てて活動する事。
・向こう見ずの計画の行動であり、そんな行動の喩え。
・略した「暗躍」も同義。
”暗中”は「暗がり」「闇の中」、”飛躍”は「飛び上がる」「大きく発展して活躍する」「急速な進歩」で、そのまま読めば「暗がりでの飛躍や活躍」となりますが、「暗がり」を「秘密裏」として誰かに知られないように秘かな行動が「暗中飛躍」です。何かしらの理由があり堂々と公表出来ないので、秘かな画策によって活躍をしているのでしょう。そんな事からよくある使い方としては、反乱軍などによる「暗中飛躍で国家転覆を企てる」や「暗中飛躍を試みる」などがあります。また大物などが敢えて裏方として活躍する際も「暗中飛躍」が多用されがちです。それでも言葉のニュアンスとして”暗中”には悪い部分が感じ取れるので、事件等々で使われる事も多くなります。
暗中飛躍の由来・出典
「暗中飛躍」の由来は残念ながら不明です。文献としては、活動弁士・大辻司郎の著書「漫談集」(1929年)などに文言が記されています。
暗中飛躍の類義語・同義語
「暗中飛躍」の類義語には、「陰密行動」「裏面工作」「秘密工作」「諜報活動」などが挙げられます。
暗中飛躍の使い方・例文
例文1.世襲議員や二世タレントが活躍するのは本人の力というよりも、親の効力が発揮して暗中飛躍をしてくれて支える者が多数いるからだ。
例文2.法改正が施行される度に優秀な官僚達が政治家に根回しという暗中飛躍をして、自分達の都合の良いようにまた決めたんだと思ってしまう。
例文3.警察の中でも公安などは正に暗中飛躍をする為に存在する組織と言っても過言ではない。
例文4.表舞台に立つよりも裏方として暗中飛躍をするタイプだと散々口にしていた知人が給付金詐欺で主犯格として逮捕され、華々しいデビューを全国に飾ったがこれが彼の求めていたやり方だとするなら本当に情けなくなった。
例文5.誰とも会話をせずに工場で延々と仕事をしていると、社会にインパクトを与える暗中飛躍を試みたくもなるがそんな面倒事をするよりも地下アイドルにお布施をする方が気がまぎれる。
「暗中飛躍」を使った例文となります。
暗中飛躍の会話例
知人男性に強烈なダメ出しをする女性という内容です。
暗中飛躍の豆知識
「暗中飛躍」から”活躍”に関する四字熟語は、英雄など優れた人物が時運に乗って出現し活躍する「雲蒸竜変」、人気ある役者からここ一番で活躍する喩え「千両役者」、獅子が奮い立つように猛烈な勢いで活躍をする「獅子奮迅」などがあります。
暗中飛躍の難易度
「暗中飛躍」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”躍”は4級で中学生レベル、”飛”は7級、”暗”は8級で小学校中学年レベル、”中”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
暗中飛躍のまとめ
「暗中飛躍」は人に知られないように秘密裏で画策して活躍をする事です。表舞台に自分を曝け出さす、裏方として活動をして結果を残す感じと受け取れます。また自分が動いている事を誰にも悟られずひそかに画策をしているので、目立つ行動を控える時などは特に重宝されるのではないでしょうか。