【博引旁証(はくいんぼうしょう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

博引旁証(はくいんぼうしょう)

初耳な四字熟語でも、その文字から大凡の見当が付く場合もありますが、今回の「博引旁証」はまず意味が分からないものですよね。難易度高めの四字熟語の中でも、さらに高難度と思えなくもないですが、ヒントとなるのは”博引”となりそうです。この言葉を理解していると、自ずと納得できるようですが、それでは詳しい解説となります。

博引旁証の意味

「博引旁証」の意味は以下の通りです。
・物事の説明をする際、多くの例を引き、証拠をあげて論ずる。
・実例や証拠から説明をする。多くの資料を証拠として解説する。
・資料や書物から引用した例を証拠として議論する。
何かを解説や議論する際に、自らの憶測や自論では客観的な事実とは異なり、また埒が明かないので、誰もが納得するように資料や本などの実例を証拠とする事です。要するに、議論を重ねるのも、事前準備が必要であったり、自論の前に根拠となる証拠が必要という事です。”博引”は「広く引用する」、”旁証”は「あまねく根拠を示す」という意味があります。

博引旁証の由来・出典

「博引旁証」の由来は、残念ながら分かっていません。中国語にはないので日本発祥だと推測できますが、確証はありません。文献としては、評論家・翻訳家の内田魯庵の「緑蔭茗話」(1890年)に文言が残されています。

博引旁証の類義語・同義語

「博引旁証」の類義語には、「考証該博」「博引旁捜」などが挙げられます。

博引旁証の使い方・例文

例文1.テレビ番組の某解説者は、博引旁証を信条にしているのか、膨大な資料に裏付けされた解説なので大変分かりやすくて為になる。
例文2.博引旁証とするには、相手の異論反論がどうなるかすら、事前に察知しておくべきだ。
例文3.法定での弁護士と検察官のやり取りは、双方が博引旁証を出し合い見応えがある。
例文4.博引旁証の反対となるのが、ネットに氾濫する憶測だらけの出まかせ記事だ。
例文5.久しぶりに本社でプレゼンをする事になり、博引旁証となるように必死で中身をまとめた。
「博引旁証」を使ったよくある例文となります。

博引旁証の会話例

男性
今朝頼んだ資料まとめ、終わった?
女性
まだです。もう少しで終わります。
男性
了解! それにしても、このペースで週末のプレゼンに間に合うかな?
女性
頑張りましょう。博引旁証となるよう、きちんとまとめます。

プレゼンの資料作りで忙しい二人の会話内容です。

博引旁証の豆知識

「博引旁証」をまた別の言い方とするなら、「証拠十分」と言ったところです。反対の「証拠不十分」となるのが「単文孤証」で、似たような言葉「証拠隠滅」は、事実を明らかにしないで物事を無くすこととなります。

博引旁証の難易度

「博引旁証」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”旁”は1級で大学一般レベル、残り三文字は小学校レベルの四字熟語となります。

博引旁証のまとめ

「博引旁証」は、書物などからの実例や証拠を元にして解説や議論をするという意味です。要は相手に分かりやすく、また無意味な反論をされないように、きちんと用立てて準備をします。一般には馴染み薄いですが、お堅い仕事などでは使用する事も多いです。

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