【疾風勁草(しっぷうけいそう)】の意味と例文と使い方

疾風勁草(しっぷうけいそう)

”勁草”は小説タイトル等で割と有名ですし、諺「疾風に勁草を知る」もあるので、四字熟語「疾風勁草」を知っている人も多い事でしょう。詳しい意味は後から解説しますが、意気込みや決意表明的な感じが好まれる要因ではないかと思っています。そんな「疾風勁草」について解説を始めさせて頂きます。

疾風勁草の意味

「疾風勁草」の意味は以下の通りです。
・苦境や逆境になると、初めて意志や節操が強い人であると分かる喩え。
・激しい風が吹くと丈夫な草かどうか初めて見分けられる事から転じて、困難に遭遇した時にその人の真の意志強さが分かる。
・諺「疾風に勁草を知る」も同義となる。
”疾風”は「速い風」「急に吹く激しい風」、”勁草”は「雪風に耐える草」「思想や節操が堅固な人」となり、
合わせて、激しい風や雪に耐えれる草が強いので、結果的に困難こそ強い人を見分けられるとなります。要するに人も草と同じで、人の真価や価値は困難や苦境に立たないと判断できないのです。激しい風が吹いても倒れない草こそ強固なので、それを人間にも喩えて困難や逆境に陥った時に人の価値が証明されるのでしょう。因みに、由来とされる後漢書には続きがあり、正しくは「疾風勁草、厳霜貞木」となります。「厳霜貞木」は、大木でも嵐で枝が折れたら弱い木で、霜が降りて寒さに耐えた木は枯れないで残るという意味です。「疾風勁草」部分も合わせると、人の真価は見た目ではなく、困難に耐えられるか否かが重要と説いているのでしょう。

疾風勁草の由来・出典

「疾風勁草」の由来は、中国後漢時代の歴史書「後漢書」の「王覇伝」となります。

疾風勁草の類義語・同義語

「疾風勁草」の類義語には、「歳寒松柏」「雪中松柏」などが挙げられます。

疾風勁草の使い方・例文

例文1.父は転職を何度も繰り返しているが、やる気や根性だけは負けない疾風勁草を地でいくタイプなので家族は信頼している。
例文2.有名人や経営者は華やかな部分がクローズアップされるが、その裏では常人なら諦める出来事を克服した疾風勁草な人物なのだろう。
例文3.疾風勁草な気負いでどこまでも頑張れるのは、彼女と結婚をする目標があるからだ。
例文4.疾風勁草な精神を糧に、塾や家庭教師もつけずに現役で東大合格を果たした。
例文5.小学校入学から大学卒業して現在の公務員になっても継続して、一度も遅刻と欠席がないタフさが最大の売りで、これも疾風勁草な気概を胸に努力している賜物だ。
家族や有名人などの努力や困難を「疾風勁草」とした例文です。

疾風勁草の会話例

男性
結婚したのは聞いていたけど、大丈夫そんなに遠距離通勤をして?
女性
旦那の都合に合わせたら遠距離になったけど、遠距離って言っても片道2時間ぐらい。大丈夫ですよ!
男性
いやいや、十分遠くない?
女性
でも、自分は意外に根性があるって結婚して遠距離通勤になって感じたな。疾風勁草ではないけど、人は困難があるから頑張れるんですね。

職場の女性が遠距離通勤になり、それを心配して声をかけた男性との会話内容です。

疾風勁草の豆知識

「疾風勁草」は四字熟語の中でも独特の言葉です。困難や逆境でも努力するという類は多数ありますが、困難こそ人の強さを判断できる物差しの様な基準にするのは稀だからです。もちろん、「歳寒松柏」「雪中松柏」といった類語もあるので、似た意味もあるのでしょうが、やはり珍しい形ではあります。因みに困難に分類される四字熟語は「多事多難」「前途多難」「無理難題」などがありますが、「疾風勁草」とは大分意味合いが違ってきます。

疾風勁草の難易度

「疾風勁草」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”勁”は1級で大学一般レベル、”疾”は3級で中学卒業レベル、”風”は9級、”草”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

疾風勁草のまとめ

「疾風勁草」は、激しい風が吹いて強い草かどうか判断出来る事です。それを人間にも当て嵌め、困難や逆境こそ人の意志や節操の強さが分かる喩えとなります。平時にどんなに能力があっても、いざという時に頼りにならなければそれは無価値に等しいのです。よって、人は疾風に倒れない強い草を目指すべきと、解釈ができます。

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