森羅万象(しんらばんしょう)
壮大な意味を持つ四字熟語の中でも最高ランクに入るであろう一つが｢森羅万象｣です。それ故、本来の使い方だけでなく、楽曲タイトルから商品名や店名、そしてネット上の記事中身やブログタイトルに投稿者名など実に幅広く応用されています。ここまで来ると、正しい意味を誤解して覚えている人も逆に多いのではと勘繰ってしまう程です。では、大勢に愛される｢森羅万象｣について解説を始めさせて頂きます。
森羅万象の意味
｢森羅万象｣の意味は以下の通りです。
・宇宙に存在する全ての事物や現象。天地間に存在する全て。
・仏教用語で、世界や宇宙に存在する全て。
・｢しんらばんぞう｣｢しんらまんぞう｣とも読む。
｢森羅万象｣は基本は上記の様な意味ですが、他にも江戸時代の狂歌師の人名でもあります。元々は仏教の｢法句経｣に登場し、この世界や宇宙に存在する全てという途方もないスケールを含む意味合いです。それが現在でも様々なケースで用いられ、大勢に好まれる理由ではないでしょうか。”森羅”は｢無数に並び連ねる｣｢天地の間に存在する全て｣、”万象”は｢様々の形｣｢形あるもの全て｣｢あらゆる事物｣という意味です。また、｢森羅万象を網羅する｣｢この世の森羅万象～｣という使い方が有名です。
森羅万象の由来・出典
｢森羅万象｣の由来は、仏教の経典の一つ｢法句経｣となります。
森羅万象の類義語・同義語
｢森羅万象｣の類義語には、｢有象無象｣｢一切合切｣などが挙げられます。
森羅万象の使い方・例文
例文1.東大に合格する知能をフルに活用して様々な難問クイズを軽々と答える彼の姿は、森羅万象まで全て知り尽くした余裕を感じさせる。
例文2.ドライブや旅行で出掛ける友人に行き先を尋ねて、森羅万象と答えるほど面倒な事はない。
例文3.青空を見上げて、世界のあちこちでも同じ様な事を大勢がしていると思うと、森羅万象という途方もない広大さを少しは理解できる。
例文4.地球には人類以外にも様々な生物や植物が生存し、宇宙でもきっとどこかで宇宙人と生物が共存共栄を果たしていて、それこそ森羅万象である。
例文5.コロナのワクチンやウイルス開発は、森羅万象の答えを見つけるパンドラの箱を開ける様な危険な事なのかも知れない。
東大の優秀人物、宇宙、コロナなどに｢森羅万象｣を使った例文となります。
森羅万象の会話例
宇宙の動画を見ている妻に、旦那が心配がてらに声をかけて会話を繰り広げます。
森羅万象の豆知識
2019年2月、安倍総理が参議院予算委員で｢総理大臣なので森羅万象すべて担当している｣と発言し、注目を集めました。政治家が四字熟語を用いるのは多々ありますが、流石に｢森羅万象｣は稀であり重みがあるからで場合によっては、自らがそれだけ権力保持者や神であると捉えられてもおかしくありませんでした。
森羅万象の難易度
｢森羅万象｣は漢字検定準2級から10級相当の文字組み合わせで、”羅”は準2級で高校レベル、”象”は6級で小学校高学年レベル、”万”と”森”は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
森羅万象のまとめ
｢森羅万象｣は、この世界や宇宙に存在する事物や現象の全てで、元々は仏教用語が転じたものです。要するに人間から生き物に大自然や気候等々、目に入るものやそれ以外もとにかくあらゆる存在するものを｢森羅万象｣となります。
