【一望千里(いちぼうせんり)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

一望千里(いちぼうせんり)

人生に行き詰まると、或いは何か思い悩んでしまったり、単に気分転換やストレス発散からと、理由はともかくどこか遠くに旅行に行きたくなる時ってありますよね。旅行に行くからって何かが変わる訳ではありませんが、その行為が精神安定剤の様な役目があるのでしょう。そして、見晴らし良い景色があると、思わず時間を忘れてボーっと見入ってしまう。そんな行為に思い当たる人も多いと思いますが、今回の「一望千里」はそんな意味合いの言葉となります。では、詳しい解説に入らせて頂きます。

一望千里の意味

「一望千里」の意味は以下の通りです。
・広大な眺めを見渡せる。眺めが良く広々としている。
・遙か彼方まで見通せる絶景。一目で遠くまで見える素晴らしい景観。
”一望”は「広い景色が一目で見渡せる」「一つの希望」「一度で全部見渡せる」、”千里”は「大変遠い場所」「遠く離れている」「長い距離」となり、上記の様な広大な景色や大変見晴らし良い場所で用いられる言葉です。所謂、絶景スポットなどから見える美しい自然や海に沈む夕日などを目撃すると、感情が高まり思わず「一望千里の眺め」と口から出てしまうものです。要するに、遠くまで見える素晴らしい景観・絶景に対する感情移入の言葉であり、そんな状況を巧みに表現する言葉が「一望千里」です。ですから「一望千里」と使えば、そこを訪れていない人でも文脈から素晴らしい景色なんだと想像と理解ができます。実際の使用としては、「一望千里の大草原」「一望千里の眺め」等となるのが一般的です。

一望千里の由来・出典

「一望千里」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、小説家・田山花袋の「野の花」(1901年)に文言が記されています。

一望千里の類義語・同義語

「一望千里」の類義語には、「一望千傾」「一望無垠」「眺望絶佳」などが挙げられます。

一望千里の使い方・例文

例文1.地元の海からの一望千里な眺めは、どんな時も私を童心に戻してくれる貴重な場所だ。
例文2.数年間かけて一望千里を求めて世界各地を彷徨い、最後は髭面の長髪で実家に帰宅したら、母は息子と気付かず愛犬も飛び掛かってきた。
例文3.富士山からの一望千里は大変素晴らしいが、だからこそマナー悪い観光客が余計に目立つ。
例文4.酒好きな私には、一望千里を求めて自然溢れる場所を週末出掛ける人達の気持ちが理解できず、都会のビル屋上からの喧騒こそ絶景この上ない。
例文5.山奥の無人駅は電車を降りて即、一望千里を体感できる事があるので絶景マニアにはおススメだ。
自然景観から都会喧騒などで「一望千里」を使った例文となります。

一望千里の会話例

男性
GoToトラベルでどこに行くか決めた?
女性
うーん候補がいくつかあって、まだ決まってないの。
男性
早く決めないとマズいよね。
女性
うん分かってる。でも、どうせなら高級ホテルで絶景の一望千里も楽しめる旅行となると、色々目移りして悩んじゃって…。ねえ、あなたが代わりに決めてよ。

GoToトラベルの旅行をどこに行くか、夫婦が会話を繰り広げています。

一望千里の豆知識

「一望千里」から近年の絶景事情についての解説となります。現在は絶景や景観を求めて旅行をするのはすっかり定着していますが、数十年前まではそこまで重要視されていませんでした。例えば、香港や函館の夜景を求めて旅行に行く事はあっても、今の様に大自然の景観を重要視するニーズはそこまでなかったのです。しかし、インターネットの普及によって、地元ならではの絶景スポットが大勢に知られる様になりました。さらにスマホやSNSによって絶景の写真アップが当たり前で、そこに人々の旅行意識の多様化も加味されたのが影響し、現在の人気へと繋がっていったのです。

一望千里の難易度

「一望千里」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”望”は7級で小学校中学年レベル、”里”は9級、”一”と”千”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一望千里のまとめ

「一望千里」は一目で遠くまで見渡せるという意味から、広大で見晴らし良い景色に対して使う四字熟語です。山頂や海から遠くを一望したりビル屋上からの景色など、遠くを見渡せる際に使います。近年の絶景を求めるブームも相まって、「一望千里」な景観を求める人達は増えていっています。

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