【毀誉褒貶(きよほうへん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

毀誉褒貶(きよほうへん)

知り合いや友人が褒めてくれると嬉しいですが、逆に厳しい声をかけてくるとショックなものです。それが直接ならまだしも陰口だったりすると、仲が悪くなりもう顔を見るのも嫌になったりしますよね。でも、言った本人は悪気がなかったり、また教えてくれた人の勝手な解釈なども入っていると、それが状況を複雑に絡めてしまう場合もあります。今回の「毀誉褒貶」はそんな風にも思えてくる言葉で、要は他人の声や評判などは実に多様という事なのです。どうも「毀誉褒貶」の文字みたいに難しくて取り留めがない前文なので、そろそろ本題に入らせて頂きます。

毀誉褒貶の意味

「毀誉褒貶」の意味は以下の通りです。
・褒める事と貶す事。褒めたり貶したりといった世間の評判。
・褒めたり悪口を言ったりとする事で、転じて、世間の評判は様々という喩え。
・褒め言葉と悪口。
”毀誉”は「貶す事と褒める事」「悪口と称賛」「世間の評判」、”褒貶”は「褒める事と貶す事」「良し悪し」で、どちらも同じ意味の言葉を繰り返していて、”毀”は「貶す」、”誉”は「褒める」、”褒”は「褒める」、”貶”は「貶す」となり、見事に対比の言葉をペアにしています。よって、要するに「褒める事と貶す事」や「賛否」の事で、転じて、世間には様々な反応があると理解出来ます。それは例えば、スポーツで優勝をしても、そのチームのファンは絶賛してくれるが、相手チームのファンは嬉しくないので厳しい声をぶつけます。この事から、人や世間の意見は様々なので、称賛と非難をあまり気にする必要がないといった良い解釈も可能ですが、逆に言うなら非難を受け入れない為に敢えて意見は様々と、無理やり理解しているとも思えます。どちらにしろ、「様々な意見」といった大きな枠で捉えて問題がないです。実際の文章としての使い方は、「毀誉褒貶を顧みない」「毀誉褒貶が多い」「毀誉褒貶に相半ばする」といった形になります。

毀誉褒貶の由来・出典

「毀誉褒貶」の由来は、”毀誉”は古代中国の儒教の経書「四書」の一つである「論語」の衛霊公、”褒貶”は中国後漢時代の歴史書「漢書」の芸文志となります。

毀誉褒貶の類義語・同義語

「毀誉褒貶」の類義語には、「賛否両論」「甲論乙駁」「勧善懲悪」などが挙げられます。

毀誉褒貶の使い方・例文

例文1.社会人になり世間と関わるようになると、世の中の大勢は毀誉褒貶を巧みに使い分けていると実感した。
例文2.ユーチューバーとなって他愛もない動画を投稿し始めたら、コメント欄には毀誉褒貶な声が多数寄せられる様になった。
例文3.偉大なスーパースターでさえ毀誉褒貶を顧みないのは無理だったので、それを考えると凡人の私が色んな声に右往左往するのもおかしくはない。
例文4.問題行為の芸能人に対してバッシングだらけだったのに、一度会見で情けない姿を晒すと今度は記者陣に対して厳しい声が寄せられ、世間とは毀誉褒貶そのものだと痛感した。
例文5.博識だと自惚れていたのか、状況に応じて毀誉褒貶を多く使っていたら、誰からも相手にされなくなった。
様々な意見や声といった世間の評判として、「毀誉褒貶」を使った例文となります。

毀誉褒貶の会話例

男性
今日は落ち込んだなー!
女性
どうしたの? 帰宅したそうそう、思いっきり愚痴を吐いて。
男性
仕事でプレゼンをしたんだけど、それが準備不足もあって散々ダメ出しされてね。その挙句、仕事とは関係ない人間性的な事も指摘されて、参ったよ。
女性
そんな事は気にしないの。人なんて毀誉褒貶を気分によって好き勝手使うんだから。それよりも、早く夕ご飯を食べましょう。

仕事で落ち込む夫をフォローする妻との会話やり取りです。

毀誉褒貶の豆知識

「毀誉褒貶」は褒める・貶すという意味合いなので、褒める教育についての解説となります。戦前戦後は子供を厳しく叱るのが躾の一環でもあり、学校でもその様に指導されてきました。ですから、かつては体罰も教育として当たり前だったのです。しかし、1990年代頃から教師の体罰に対して世の中の風当りが厳しくなってほぼ無くなり、代わりに、子供を褒める教育が広がっていきました。褒める事で子供に自信を与えて、それがやる気アップや成長に繋がると期待されたのです。しかし、結局のところ褒めるのも正しいやり方があるようで、その方法も万人に合うとは言い難く、褒めるだけでも貶すだけでも子供の成長にはあまり影響がないのが最終結論なようです。

毀誉褒貶の難易度

「毀誉褒貶」は漢字検定1級から4級相当の文字組み合わせで、”貶”は1級で大学一般レベル、”毀”は2級で高校卒業レベル、”褒”は準2級で高校レベル、”誉”は4級で中学レベルの四字熟語となります。

毀誉褒貶のまとめ

「毀誉褒貶」は褒めると貶すという意味合いの言葉で、そこから、世間の評判は様々と理解出来ます。要するに、他人や世間というのは状況に応じて褒めたり貶したりと、称賛もすれば悪口を言ったりするものです。そんな反応に一喜一憂せず、自分をしっかり保つべきという教えが「毀誉褒貶」ではないでしょうか。

毀誉褒貶に振り回される
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