【他力本願(たりきほんがん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

他力本願(たりきほんがん)

学生時代とは何かと友人と頼り頼られる、持ちつ持たれつの関係性ですよね。テスト範囲を教えてもらったりや代返、それから物の貸し借りなど、友人がいるから学校生活が成り立つと言っても過言ではないほどです。この様な友人頼りもある種の「他力本願」ですよね。それでは、自分の力だけでなく相手に依存する「他力本願」について調べてみました。

他力本願の意味

「他力本願」の意味は以下の通りです。
・他人の力によって望みを叶える。人任せや成り行き任せ。他人依存。
・仏教用語で、自らの修行で悟りを開くのではなく、阿弥陀仏の本願に頼り救済される。
「他力本願」は仏教用語が転じて、他人を頼る際に用いられます。元々は仏教の浄土教・阿弥陀信仰の言葉で、阿弥陀如来の本願によって極楽往生を得る事で、自らの修行で悟りを開けない者となります。そこから、自分の力ではなく他人を頼りにしたり期待をする。自らは努力や行動をしないで人任せといった意味です。”他力”は「自分以外の力」「(仏教用語で)阿弥陀仏の力」「他人の力」、”本願”は「本来の願い」「(仏教用語で)菩薩が衆生を救済するための誓願」という意味です。使用例としては、「他力本願の姿勢」という使い方が代表となります。自論も含めると、近年は「他力本願」が増えているとも言われ、その理由は親離れができないや自立できない人が増えているのも理由のようです。また、ネットという見知らぬ第三者へ頼る行為も、「他力本願」という風に見えてしまうのでしょう。

他力本願の由来・出典

「他力本願」の由来は、鎌倉時代の浄土真宗の宗祖・親鸞による浄土真宗の根本聖典「顕浄土真実教行証文類」(略称:教行信証)となります。

他力本願の類義語・同義語

「他力本願」の類義語には、「悪人正機」「責任放棄」「神風主義」などが挙げられます。

他力本願の使い方・例文

例文1.学生時代から他力本願だったので、社会に出ても上司だけでなく部下にもすっかり頼る癖が抜けない。
例文2.他力本願とよく揶揄されるが、周囲の人間を上手に活用しているだけと本人は自負している。
例文3.困難に陥ると、これまで他力本願で急場をしのいぎ自らの能力が劣っていたと自覚できる。
例文4.日本は戦争に関しては、アメリカ頼りという他力本願な点があるのは否めない。
例文5.日本の政治レベルが低いのは、議員だけでなく国民に他力本願という人任せな姿勢があるからだろう。
人任せや他人頼りという文章に「他力本願」を使った例文となります。

他力本願の会話例

男性
ごめん。またこのファイル作ってくれないかな?
女性
分かりました。でも、今は他の仕事なので、少し時間が掛かります。
男性
ありがとう。助かるよ。でも俺って、本当に資料作りは他力本願だなー。ちょっと反省するよ。
女性
それなら、エクセルやワードの本でも少しは真剣に読んで学習して下さい。

職場にて、パソコンが苦手な男性社員が女性社員に資料を作ってもらうという会話です。

他力本願の豆知識

「他力本願」は仏教の中でも浄土真宗による言葉です。日本における仏教宗派は、大きく分けると13宗とされその内訳は、華厳宗・法相宗・律宗・真言宗・天台宗・日蓮宗・浄土宗・浄土真宗・融通念仏宗・時宗・曹洞宗・臨済宗・黄檗宗です。

他力本願の難易度

「他力本願」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”願”と”他”は7級と8級で小学校中学年レベル、”力”と”本”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

他力本願のまとめ

「他力本願」は元々仏教用語で、そこから他人頼りや人任せ、他人依存という意味があります。家族や友人など自らの力以外を頼りにして望みを叶える事で、現代はこの様なタイプが多くなったとも言われています。

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