【論功行賞(ろんこうこうしょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

論功行賞(ろんこうこうしょう)

「論功行賞」とは「社会や会社などに貢献をして功績を上げた人物に褒美を与える事」です。立場が上の者が下の者を評価する事なので、例えば職場で成績良い人が表彰を受ける事があると思いますが、その様な行為も一種の「論功行賞」です。ですから、職場以外でもスポーツや学校などで特別な賞を受賞したり金一封が貰えるなども含まれます。そんな大変名誉な「論功行賞」についての解説となります。

論功行賞の意味

「論功行賞」の意味は以下の通りです。
・功績や戦績の程度に応じて褒美を与える事。
・功績の有無や大きさの程度によってそれぞれ相応しい賞を与える。
・「功を論じ賞を行う」(こうをろんじしょうをおこなう)と読む。
”論功”は「功績の有無や程度を論じて決める」「手柄の大小を調べる」、”行賞”は「功績に対して賞を与える」で、国や君主、または会社や関係機関等々が成果を上げた議員や家臣や一般人などに配慮して功績を与える事です。要するに恩返しであり、恩賞に限りなく近い行為です。恩賞は功績ある者に褒美として金品や地位などを与えますが、「論功行賞」は現在においては政治の世界からビジネス現場などで使われる事が多く、特に内閣人事や組閣でセットとして何かと注目を集めています。内閣人事では各派閥からバランス良く調整して大臣を選ぶのが慣例ですが、そこでノーマークな人物が大臣に選出されたり、或いはあまりにも派閥重視過ぎたり問題ある大臣を留任させる際に「論功行賞」と揶揄気味に使われます。本来は褒美であり功績に応じるべきですが、力関係によって無理やりに功績扱いとなると、周囲が不満を漏らすのです。かつては、きちんと功績や手柄を調べて、それから賞を与えていたのですが、現在はその過程が蔑ろにされて功績ありきで物事が進んでいるのは否めません。一方、歴史的に見ると日本だけでなく諸外国でも国や社会に貢献した人物に褒章や勲章を与えるのは当たり前の事で、日本の場合はその最高に位置するのが天皇陛下から直接授与される紅綬褒章や緑綬褒章などです。通常の「論功行賞」の場合はここまで品位が高くないですが、政府などが用いる事からもステータスが高い名誉の言葉であるのは事実です。だからこそ、それが誤った使い方がされると関係者から批判の対象ともなるのです。

論功行賞の由来・出典

「論功行賞」の由来は、古代中国を代表する歴史書「三国志」の魏の国に関する「魏志倭人伝」(魏志)の「明帝」となります。

論功行賞の類義語・同義語

「論功行賞」の類義語には「信賞必罰」、四字熟語以外では「褒賞」「恩賞」「報奨」などが挙げられます。

論功行賞の使い方・例文

例文1.論功行賞を現代のサラリーマンで例えるなら、金一封やボーナスみたいなものだ。
例文2.所属するグループの成績を評価され、社長から論功行賞として特別休暇と金一封を頂いた。
例文3.内閣の腐敗ぶりは論功行賞の顔ぶれを見るだけで一目瞭然で、この国は確実に蝕んでいる。
例文4.羽振りが良い友人を問い質したら、営業ノルマを達成して論功行賞を貰ったり給料もアップしたからだそうだ。
例文5.社会の底辺で静かに生きる身としては、論功行賞などは一生縁遠いものだ。
ビジネスや政権批判などで「論功行賞」を使った例文となります。

論功行賞の会話例

男性
残業ばかりで、今月は本当に疲れたよ。
女性
お疲れさまです。でも、それだけ遣り甲斐があったんじゃないの。だって職場から表彰されるんでしょう?
男性
うんまぁね。それだけ、会社に貢献して業績を上げたからね。
女性
だったらいいじゃない。論功行賞をされるサラリーマンなんて、ほんの一握りよ。

会社での仕事が評価された夫とその妻の会話やり取りです。

論功行賞の豆知識

「論功行賞」から”功績”に関する四字熟語は、国家が勲功や功績のあった者に与える等級「位階勲等」、名家に生まれて功績をあげ名声を引き継ぐ「衣冠盛事」、気力や才能や功績などが非常に優れている喩え「蓋世之才」、功績や人徳が盛大である「功徳兼隆」、高潔な人の功績や徳望が崇高で人に仰がれる「山高水長」などがあります。

論功行賞の難易度

「論功行賞」は漢字検定5級から9級相当の文字組み合わせで、”論”は5級、”賞”は6級それぞれで小学校高学年レベル、”功”は7級で小学校中学年レベル、”行”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

論功行賞のまとめ

「論功行賞」は国や社会などにおいて大きく功績を上げた人々に賞として褒美を与える事です。俗に言う「褒章」や「褒賞」に限りなく近く、功績に応じて褒美を与えるので受け取った側は大変名誉であり、さらに活躍をする切っ掛けにもなります。

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