【漱石枕流(そうせきちんりゅう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

漱石枕流(そうせきちんりゅう)

日本人なら”漱石”とは、「夏目漱石」以外に思い浮かばないですよね。だからこそ、「四字熟語に夏目漱石?」と不思議に感じますよね。 今回の「漱石枕流」は、夏目漱石の筆名に影響を与えた事で有名で、自分の失敗を認めないといった意味があります。それでは、詳しい解説となります。

漱石枕流の意味

「漱石枕流」の意味は以下の通りです。
・失敗を認めず屁理屈で言い逃れする。
・負け惜しみが強い。無理やりなこじつけ。
・諺「石に漱ぎ流れに枕す」と同義。反対にした「漱石枕流」も同義となる。
文字から意味を判別するのは困難ですが、要するに「負け惜しみが強い」「無理やりこじつけする」といった意味や解釈ができます。そもそも、誤用から誕生した言葉で、石で歯を磨き耳を洗うのも可能と屁理屈で言い逃れたと伝えられています。それがそのまま漢詩や四字熟語として残ったのです。また、この四字熟語を気に入った夏目漱石(本名:夏目金之助)が筆名にした事でも有名です。夏目漱石自身が相当な頑固者であった事から好んだそうです。

漱石枕流の由来・出典

「漱石枕流」の由来は、中国晋王朝の歴史書「晋書」の「孫楚伝」で、「石に枕し流れに漱ぐ」を誤って「石に漱ぎ流れに枕す」と言ったが、無理やりこじつけて言い逃れをしたと伝えられています。

漱石枕流の類義語・同義語

「漱石枕流」の類義語には、「指鹿為馬」「孫楚漱石」などが挙げられます。

漱石枕流の使い方・例文

例文1.政権与党は法解釈変更を問題視されても、漱石枕流を繰り返して難を逃れて責任を取ろうともしない。
例文2.関西のお笑い芸人を見ていると、漱石枕流な言い訳をするのも才能に思えてならない。
例文3.クラス一の秀才も最近成績があまり良くない。しかし、漱石枕流をしない姿が男らしくて良いと思った。
例文4.Twitterで炎上する芸能人は漱石枕流な腕前も見事だが、それがアンチにとっては不快なのだろう。
例文5.借金が妻にバレた時は、あれこれと漱石枕流ばかりで絶対に謝らなかった。それが功を奏したと思ったら、数日後に家を出ていかれ一週間後には離婚届が送付されてきた。
漱石枕流を使った例文となります。

漱石枕流の会話例

男性
Bさんって、仕事のミスに言い訳をしないよね。少しは言い訳をしたくなるでしょう。普通は。
女性
単に語彙力がないだけですよ。
男性
またまた謙遜して。
女性
でも、漱石枕流にならない様にや相手に不快を与えない様には注意しています。

仕事のミスをした女性Bが言い訳をしないことを褒める男性の会話例です。

漱石枕流の豆知識

”漱石”を使った四字熟語は「漱石枕流」以外では「孫楚漱石」「枕流漱石」となり、他にはありません。これらは基本的に同義となります。”漱”は「口をすすぐ」「うがい」「すすぐ」「洗う」といった意味で、”漱石”では「石を口すすぎ」と誤用したのが、「漱石枕流」が誕生した切っ掛けです。

漱石枕流の難易度

「漱石枕流」は漢字検定1級から10級相当で、”漱”が1級で”枕”が2級と一般大学レベル、残り二文字は小学校中・低学年レベルの四字熟語となります。

漱石枕流のまとめ

「漱石枕流」は、明治大正時代を代表する最も有名な小説家・夏目漱石が筆名に引用した事でも知られる四字熟語です。元々は誤用から誕生した言葉で、そこから失敗を認めないで屁理屈を使う、負け惜しみやこじつけが強いという意味が込められています。”漱石”というとどうしても夏目漱石で、そこから四字熟語を想像し難いですが、漱石自身が頑固者で屁理屈が多かった性格であったと伝えられているので、その様に覚えてはどうでしょうか。

漱石枕流で失敗を認めない男性
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