【九鼎大呂(きゅうていたいりょ)】の意味と例文と使い方

九鼎大呂(きゅうていたいりょ)

そもそも”鼎”という文字を初めて見掛けた人が、圧倒的に多いと思います。ですから、「九鼎大呂」という四字熟語がどんな意味や読み方なのかすら分からないのです。かく言う私もその一人で、良い意味なのか悪い意味なのかすら、憶測でも皆目見当がついていませんでした。それでは、四字熟語上級者でもきっと理解している人が少ない、「九鼎大呂」について解説をさせて頂きます。

九鼎大呂の意味

「九鼎大呂」の意味は以下の通りです。
・非常に貴重な物、重要な地位や名声などの喩え。
・貴重な物や宝。重要な地位。珍しい物。
”鼎”は「かなえ」や「てい」と読み、「古代中国の三本足の鉄窯」や「古代中国の土器や青銅器の鉄鍋」の事です。”九鼎”は古代中国の九の州から献上させた「金で鋳造した鼎」でそこから「非常に貴重な物」、”大呂”は「中国音楽の十二律の一」「大きな鐘」となり、貴重な物を繰り返し強調しています。そこから上記の様な意味合いで、貴重品やお宝や名声、またその喩えとなります。

九鼎大呂の由来・出典

「九鼎大呂」の由来は、中国前漢の歴史書「史記」の「平原君伝」となります。

九鼎大呂の類義語・同義語

「九鼎大呂」の類義語には、「一言九鼎」「隋珠和璧」などが挙げられます。

九鼎大呂の使い方・例文

例文1.結婚5年目の私達夫婦に待望の第一子が誕生し、両家の両親共々が九鼎大呂が生まれたと大喜びしてくれた。
例文2.他人にとっては価値のない安物の腕時計だが、私にとっては亡き父の形見でどんな高価な物より九鼎大呂である。
例文3.地域振興や商店街活性の為に頑張る市議会議員は、地元からの九鼎大呂が欲しいだけで選挙狙いだと穿って見てしまう。
例文4.世界中には九鼎大呂がいくつもあるが、庶民には一生縁のない物であるのは間違いない。
例文5.本来は人命より重い九鼎大呂などは存在しないが、政治家や権力者にはこの常識は青臭い正義で滑稽に感じるそうだ。
貴重な宝物や名声を「九鼎大呂」とした例文です。

九鼎大呂の会話例

男性
あれ、それって最新のスマートウォッチじゃない?
女性
そうですよ、アッ〇ルの最新型です。
男性
いいなー。高いよね、それ!
女性
今月の小遣いは全部消えました。でも、九鼎大呂がまた一つ増えたと思ったら、仕事にも遣り甲斐がでます。

職場の同僚女性が最新スマートウォッチを購入したという会話です。高価な品なので、スマートウォッチを九鼎大呂と喩えています。

九鼎大呂の豆知識

「九鼎大呂」だけでなく、宝や貴重に関する四字熟語はいくつもあります。一例として「雲煙過眼」「金玉満堂」「玉石同砕」「七珍万宝」などが挙げられますが、言葉通りにお宝とするものと、宝から転じて様々な喩えとするものに分類されます。金や宝玉に青銅器などは古代中国だけでなく日本でも当時は大変貴重で重要な品となっていました。これらは国や皇帝に献上する物で、そこから漢詩や句などがいくつも誕生したのです。

九鼎大呂の難易度

「九鼎大呂」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”鼎”は準1級で大学一般レベル、”呂”は2級で高校卒業レベル、残り二文字は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

九鼎大呂のまとめ

「九鼎大呂」は、貴重な宝物や重要な地位や名声、またその喩えとなる四字熟語です。”九鼎”と”大呂”はどちらも貴重な品といった意味が込められ、繰り返す事で強調しています。

九鼎大呂を無くさぬよう気をつける
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