【一方通行(いっぽうつうこう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

一方通行(いっぽうつうこう)

昨今は車にドライブレコーダーの装着が普及しているので、交通事故の生々しい瞬間をニュースで目撃する機会が劇的に増えています。運転が苦手な人は、そんな映像を観るだけでもまるで自分の事のようにドキッとするのではありませんか? 「一方通行」というとこの様な交通事故や道路交通を連想すると思いますが、実は他にもまったく異なる意味合いが含まれています。一体どのような意味もあるのか調べてみました。

一方通行の意味

「一方通行」の意味は以下の通りです。
・車両などの通行を道路の一方向に限定する事。ある一方の通行を許可し反対側は禁止する。
・ある一方からの伝達が行われ、その逆からの伝達が行われない。
・道路上で片方のみ進行許可する事と、意志の疎通が十分に図られていない状態の事。
”一方”は「一つの方向」「片方」「二つ以上のものの中から一つ」、”通行”は「ある所を通る」「通り過ぎる」「世間一般に行われる事」で、基本的には道路交通上における交通規制に対して用いますが、意志疎通や意志伝達においても用いられる表現です。道路交通の場合は、片方のみが通行できる事であり、進行を一方向のみに限定しています。要するに、住宅地の狭い生活道路、高速道路の流出入路、一般道からバイパスなどの合流地点などが所謂「一方通行」で、特に東京や大阪などの都会では至る所が「一方通行」だらけと言っても過言ではありません。また、時間帯によって限定的に「一方通行」となる場合もあります。意思疎通の「一方通行」は、片方のみ進行の道路を比喩として、意思疎通が一方的でこちらの思いや言いたい事が相手に理解されない状態の関係性です。良くあるのは親子や上司部下の関係で、対等や親密な関係を築けていないと「一方通行」になりがちです。

一方通行の由来・出典

「一方通行」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、昭和を代表する小説家であり政治活動家・三島由紀夫の「鏡子の家」(1959年)などに文言が記されています。

一方通行の類義語・同義語

「一方通行」の類義語には、「一方交通」「単一方向」「片道切符」などが挙げられます。

一方通行の使い方・例文

例文1.学生時代まったくモテなかった私の恋愛はいつだって、悲しいぐらいに一方通行なものばかりだった。
例文2.痴呆気味な母との会話はいつだって一方通行だが、それでも意思疎通は出来ていると信じている。
例文3.対面通行の道路で交通事故が起こり、一時的に一方通行になった。
例文4.ニュースでは度々、一方通行を逆走する高齢者ドライバーが取り上げられるが効果はない。
例文5.人生は常に一方通行で、逆走や戻る事を許してくれない厳しいレースだ。
道路や人生に喩えて「一方通行」を使った例文となります。

一方通行の会話例

男性
懐かしいな。それ十年ぐらい前の写真じゃない!
女性
そうよ。まだ私たちが付き合いたての頃。
男性
何度も告白して、やっと付き合ってくれたんだよなー。あのままフラれていたら一方通行で終わっていたよ。
女性
何度も振ってごめんね。でも、本当は私も最初から好きだったんだよ。

中年夫婦が昔の写真から当時の懐かしい恋愛話を展開しています。

一方通行の豆知識

「一方通行」の様に日常で何気なく使っていますが、道路交通の専門用語では意味がまったく違ってくる言葉を紹介します。例として、「枝」は交差点に差し込む道路、「エプロン」は環状交差点の真ん中の空白部、「おだんご」は道路の案内標識が二つ以上設置されている事、「おにぎり」は案内標識の国道番号の形が似ている事、「ナンバリング」は路線や交差点などの番号付け、「ネズミ取り」は違反運転の取り締まり、「ヘキサゴン」は都道府県道番号の標識形が六角形からといった意味から名付けられました。

一方通行の難易度

「一方通行」は漢字検定9級から10級相当の文字組み合わせで、”方”と”通”と”行”は9級、”一”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一方通行のまとめ

「一方通行」は二つの意味合いがあり、一つは道路交通上における一方の通行のみを許可して反対側からは走らせない事です。もう一つ、意志疎通や伝達における片方のみで逆からは無い状態です。要するにコミュニケーション破綻であり、双方が同じ内容と認識していません。この二つを状況に応じて使い分けるのが「一方通行」です。

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