【鳩首凝議(きゅうしゅぎょうぎ)】の意味と例文と使い方

鳩首凝議(きゅうしゅぎょうぎ)

事の大小に関わらず井戸端会議ではないですが、何かとあれこれと話し合う事が好きな人達っていますよね。それが有意義になれば良いですが、無意味と知っていても、本来の問題解決よりも集まる事に異議があるという考えです。一方で、真剣に話し合う姿を表す四字熟語が「鳩首凝議」となります。最近はあまり使われないのでやや難しく感じますが、どの様な言葉なのか調べてみました。

鳩首凝議の意味

「鳩首凝議」の意味は以下の通りです。
・人々が集まり額を寄せ合って相談事をしている。
・人が集まり真剣に話し合っている。
”鳩首”は「人々が集まり額を突き合わせて相談事をする」、”凝議”は「熱心に相談事をしている」「評議をこらす」となります。”鳩”は「集める」なので、そこから”鳩首”で「頭(首)を集める」で、何人もが集まりまるで額を寄せ合うように熱心な相談事をしている様となります。実際の使い方としては、相談事をしているので、打ち合わせ・会議・ミーティング・討論・交渉などが同義扱いとなり、これらを表現する際に用いられます。また、「雁首を揃える」や「額を集める」なども同じように、集まって相談事をしている意味の諺・慣用句です。より深掘りすると、真剣に話し合っているからと言って、より良い結果が出た訳ではなく、飽く迄も人が集まり真剣に話し合っただけと解釈できます。

鳩首凝議の由来・出典

「鳩首凝議」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”鳩首”は近代日本の社会運動家・木下尚江の著書「火の柱」(1904年)、”凝議”は教育者・新渡戸稲造の著書「青年修養法」(1909年)などに文言が記されています。

鳩首凝議の類義語・同義語

「鳩首凝議」の類義語には、「鳩首協議」「鳩首密議」などが挙げられます。

鳩首凝議の使い方・例文

例文1.町内会では月に一度は鳩首凝議という名目で酒盛りを繰り返している。
例文2.三人寄れば文殊の知恵というが、鳩首凝議では必ずしも当て嵌まるとは言い難い。
例文3.国会では一応は国民の代表である偉い先生が集まり鳩首凝議をしているが、それが国民に役立ち良い影響を与えているとは思えない。
例文4.コロナ渦で鳩首凝議が何度も行われたが、結局は専門家と政府には温度差が明確になっただけだ。
例文5.利権やスポンサー対応について、東京五輪を開催するか否かの鳩首凝議が今日もどこかで偉い人達が集まり好き勝手に決めているのだろう。

大勢が集まる会議や相談事を皮肉って「鳩首凝議」を使った例文となります。

鳩首凝議の会話例

男性
今日は町内会の打ち合わせだから、夕御飯はいらないよ。
女性
またそういって、みんなでお酒を飲むの?
男性
仕方がないよ。付き合いだから。近所とは仲良くやるしかないだろ?
女性
そうだけど…。男の人だけ集まった鳩首凝議でも、結局はあまり有意義な話し合いにはならないでしょう。

町内会の打ち合わせという名目の飲み会に参加する夫に不満がある妻とのやり取りです。

鳩首凝議の豆知識

「鳩首凝議」から中国と日本の鳩事情についての解説です。中国では鳩は現在でも食用メインで、中華料理として食されます。日本では平和のシンボルとして、食する事はほぼありません。しかし、鳩も鳥の一種でありこれだけ鶏肉を食べる文化なので、鳩を食してもあまり驚きはないでしょう。中国と日本では鳩を信仰する文化もあり、祝い事では鳩を放つのはかつてはよくありましたが、日本においては近年は糞害や増殖、都会ではベランダなどに棲みつく等の被害が問題となっています。

鳩首凝議の難易度

「鳩首凝議」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”鳩”は準1級で大学一般レベル、”凝”は3級で中学卒業レベル、”議”は7級で小学校中学年レベル、”首”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

鳩首凝議のまとめ

「鳩首凝議」は、人々が集まり熱心に相談や話をしているという意味になります。”鳩首”は頭を集める、”凝議”は熱心な議論となり、人々が額を突き合わせて熱心に話し合っている様です。

鳩首凝議を何度も行う
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