【一言居士(いちげんこじ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

一言居士(いちげんこじ)

何かと一言多くてトラブルメーカーとなる友人知人や同僚がいませんか? 余計な一言で相手の気分を害して、空気が悪くなる。現在だけでなく、古今東西を問わず永遠の共通な頭痛の種だったようです。「一言居士」とはそんなトラブルの元に相応しい言葉なので、大勢の協調性がある人だけの席で本音を漏らす時に使ってみてはどうでしょうか? では、解説をさせて頂きます。

一言居士の意味

「一言居士」の意味は以下の通りです。
・どんな事でも、自分の意見を言わないと気が済まない性格の人。
・何かしら一言は口を出さずにいられない人。
・自分の意見、考えを言わないと気が済まない。
・「いちごんこじ」とも読む。
端的に言うと、自らをコントロール出来ない人です。相手の話や言い分を黙って聞けば、その場は丸く収まるのに、どうしても自分の意見を言ってしまう。また言わないと気が済まないのです。それが相手と同調意見ならまだ良いですが、大抵は反対や否定となるので、結果的にはその場の雰囲気や空気が悪くなります。一方、賢い人の中にはこの様な性格の持ち主も多いですし、現に明らかに余計な一言の方が正しい場合もあります。しかし、日本では特にその場を丸く収めるのが良しとする村社会や閉鎖的なところがあるので、「一言居士」はトラブルメーカーや問題児的な扱いとなり、決して良い意味では用いられません。

一言居士の由来・出典

「一言居士」は仏教用語が由来とされ、”居士”は古代インドで資産家の家長の事です。それが中国を経由して、江戸時代に日本に入ると”居士”は名前の下に付ける敬称となりました。それが、いつからか蔑みの意味として使われるようになり、その後は一言文句を言ってしまう人を「一言居士」と呼ぶようになりました。

一言居士の類義語・同義語

「一言居士」の類義語には、「直言居士」「頑固一徹」などが挙げられます。四字熟語以外では「論客」「何にでも口を挟みたがる人」「歯に衣着せぬ」等となります。

一言居士の使い方・例文

例文1.父は一言居士な性格なので、どの職場でも浮いてしまい転職を繰り返し、家計は長年火の車だった。
例文2.テレビで活躍する弁護士ほど一言居士な人はいない、という話で友人達と盛り上がった。
例文3.お盆などに親戚が大勢集まると、必ず一人は酒呑みで一言居士な性格の叔父さんがいる。
例文4.一言居士な性格だったが、彼女が出来て安堵感から性格が丸くなったのか、今では何かしらで一言申す事は無くなった。
例文5.交通事故の現場を目撃したら、双方が一言居士な性格なようで口煩く言い合っていて、その姿に滑稽さを感じた。
口煩い、一言多いを「一言居士」とした例文です。

一言居士の会話例

男性
しまったー。仕事を一つやり忘れたー。最悪だー。
女性
大丈夫ですか? 手伝いますか?
男性
いや、大丈夫。もう諦めたよ。お説教を覚悟しているけど、課長の小言は長いんだよなー。
女性
余計な一言で逆鱗に触れないで下さいよ。先輩も一言居士なところが少しあるから、気を付けて下さい。

仕事を忘れて、上司からの説教が待っている事に憂鬱となる会話です。

一言居士の豆知識

「一言居士」とは云わば、頑固者や融通が利かない者とも解釈できます。だから、類語で紹介した「頑固一徹」など、一見すると違うと感じる言葉も広い意味では同じ扱いとなります。”頑固”の類語は”強硬”で、”頑固”はその人なりの主義主張が強く他人の意見は受け入れません。対する”強硬”は自らの意見を押し通す事です。これを踏まえると「一言居士」は、自らの意見を口出しするがその後はどうでも良いと感じます。よって、我の強さでは、強硬>頑固>一言居士となりそうです。

一言居士の難易度

「一言居士」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、小学校高学年から低学年レベルの四字熟語となります。

一言居士のまとめ

「一言居士」は、自らの意見を言わないと気が済まない人の事です。そこから、周囲と問題を起こしたり我儘な印象を持ってしまいます。現在は特に若い人を中心にして、周囲の空気を読むのが大事とされるので、昔ながらのトラブルメーカーというのも事実ですが、その一方でこの様な性格の持ち主も、実は社会においては重要な役目を担っているのです。

一言居士も度が過ぎると周りが迷惑する
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