【蜀犬吠日(しょっけんはいじつ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

蜀犬吠日(しょっけんはいじつ)

「蜀犬吠日」は一見すると難解な四字熟語ですが、犬が吠える様を連想できれば何となく想像が付くのではないでしょうか? 愛犬家が多い今の日本では、決して無知な喩えとして使用されないでしょうが、当時の中国や日本では野良犬も多く、迷惑で煩く吠える存在だったようです。それでは、「蜀犬吠日」の解説となります。

蜀犬吠日の意味

「蜀犬吠日」の意味は以下の通りです。
・無知な人は常識に対しても怪しんで恐れる。見識ない者は他人の言動を無暗に批判する。
・見識狭い者は理解できない事を批判し騒ぎ立てる。
・諺「蜀犬日に吠ゆ」と同義。
端的に言うなら、無知であると常識に対して疑ってしまうとなるのが「蜀犬吠日」です。元々は、中国の故事からで、蜀という高い山に囲まれた地域では毎日霧が深く、偶に晴れると近所の犬が怪しいと太陽を吠え立てた事が発祥となります。そこから転じて、常識がない無知な人は他愛ない事も怪しむ喩えとなりました。また、すぐに非難ばかりする喩えでもあります。さらにくだけた表現なら、無知は恥であり、理解できない事を騒ぐのも恥なので、吠える犬の様にならないように見識を磨くべきと理解できます。

蜀犬吠日の由来・出典

「蜀犬吠日」の由来は「招北客文」、又は中国中唐期の文人・柳宗元の「答韋中立論師道書」となります。

蜀犬吠日の類義語・同義語

「蜀犬吠日」の類義語には、「越犬吠雪」「吠日之怪」などが挙げられます。

蜀犬吠日の使い方・例文

例文1.デモ隊などにネット上では蜀犬吠日とバカにする声もあるが、民主主義として意見を主張するのは間違いではないと思う。
例文2.コンビニで荷物発送の方法が分からず戸惑っていた客が店員に逆ギレをする一部始終を目撃し、彼の様なタイプが蜀犬吠日なんだと妙に納得した。
例文3.雷や雪の度に騒ぐ我が家の番犬こそ、蜀犬吠日のケースそのものである。
例文4.コロナ渦で休業を求めて自営業のお店に注意書きを張り付ける自粛警察も、一種の蜀犬吠日の様なものだ。
例文5.ネット意見が正義だと信じる人が年々増えて、この人たちは蜀犬吠日だと思われても平気なようで、何を言っても馬の耳に念仏である。
「蜀犬吠日」の様な人を批判した文章例となります。

蜀犬吠日の会話例

男性
初めてコンビニでスマホ決済を利用したら、上手く出来なくて、とんだ恥をかいたー。
女性
スマホ決済ぐらい、今時常識ですよー。
男性
だよね。でも、サーバーに問題あったのか読み取れなくて、後ろにはお客さんが並ぶし、結局は現金払いだよ。
女性
現金最高ですね。でも、そこで店員に騒いだら常識知らずの蜀犬吠日として、ネットに動画が拡散されるから絶対に大人しくして下さいね。

職場の男性が、コンビニでネット決済が出来なかったと愚痴を同僚女性に言っています。

蜀犬吠日の豆知識

「蜀犬吠日」の様に”犬”に関する四字熟語は大変多く、「瓦鶏陶犬」「鶏犬不寧」「犬猿之仲」「犬牙相制」「犬馬之心」といったものがあります。中国や東南アジアの一部では犬を食べる犬食文化が今でも残っていますが、一方でペットとしての歴史も古くビラミッドでは紀元前1300年頃から君主・ファラオが飼っていたという説があり、そこから神として信仰対象ともなりました。日本でも野良犬として扱われるが、見栄えが良い特別な犬は皇族や権力者に好まれました。江戸時代には、犬や猫に魚など生き物全般を大切にする「生類憐れみの令」が施行されるほど、時代によって生き物も人間に振り回されたようです。

蜀犬吠日の難易度

「蜀犬吠日」は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”蜀”は1級で大学一般レベル、”吠”は準1級で同じく大学一般レベル、残り二文字は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

蜀犬吠日のまとめ

「蜀犬吠日」は、霧が続く地域の犬が太陽を見た時に珍しさから吠えたという中国の故事から、無知な人は常識を恐れるや無駄に騒ぎ立てる、また理解できない事を批判するといった意味です。要するに、無知は恥であり恥である事すら理解していないといった解釈もできます。

蜀犬吠日で落ち着かない
最新情報をチェックしよう!