【諸行無常(しょぎょうむじょう)】の意味と例文と使い方

諸行無常(しょぎょうむじょう)

「諸行無常」は四字熟語や仏教用語として、ある意味で頂点に君臨する究極の言葉と評しても決して過言ではありません。それぐらい独特の輝きを放ち、存在感が際立っています。正確な意味は分からなくても、人生の儚さや平家物語の冒頭部分という事を大勢は理解できています。そして、個人的にはそれぐらいでも十分で、それ以上は一人ひとりの感じ方次第で良いのではとさえ思ってしまいます。

諸行無常の意味

「諸行無常」の意味は以下の通りです。
・この世の万物は変化し続け永遠のものはない。
・世の全ては生まれては消滅する運命を繰り返すという、人生は儚く虚しいもの。
・仏教用語で、人生の無常を説く最も根本的な考えの一つ。
・平家物語の冒頭句「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」の部分から抜粋され有名になる。
「諸行無常」は仏教用語でありこの世の無常さや儚さを説いていますが、平家物語の冒頭句「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」としても大変有名です。祇園精舎とはインドの有名な寺院の事で、それを踏まえて訳すると、「(インド寺院の)祇園精舎の鐘音には、この世の全てが変化するという響きが含まれている」となります。「諸行無常」だけでは、上記の通りで人生の儚さや虚しさ、またあらゆる物が変化しているので永久不変ではないとなります。まとめると、「諸行無常」とは無常や永久不変という仏教としての根本、平家物語の冒頭句の二つが大きな柱です。

諸行無常の由来・出典

「諸行無常」の由来は、仏教の経典の総称「大般涅槃経」(涅槃経)となります。

諸行無常の類義語・同義語

「諸行無常」の類義語には、「有為転変」「有為無常」などが挙げられます。

諸行無常の使い方・例文

例文1.愛犬は亡くなり、結婚予定だった彼女とは別れるなど散々な一年だったが、諸行無常とはこういう事で自分も成長する段階なんだと納得させた。
例文2.台風や豪雨被害が近年は本当に多く、被害に遭われた方々の惨状を思うと諸行無常としか言いようがない。
例文3.誰かを好きになったり嫌いになったり、また好きな人から断られたりと、こういう繰り返しが諸行無常なんだと思う。
例文4.マラソンが趣味になってからは、走っている時はとても苦しく、でも終わった時は爽快感からまた走りたくなる。これも一種の諸行無常の真理に近いはずだ。
例文5.大人になってからは生活に追われて楽しい事は何一つない。でも、それだけ子供の頃は幸せだったんだと、諸行無常の教えで自らを戒めている。
人生の良い事や悪い事を「諸行無常」とした例文となります。

諸行無常の会話例

男性
やっと来たね給料日が。
女性
給料ぐらいで新人のようにはしゃがない下さいよ。
男性
ごめん、でも万年金欠の俺には給料は生命線だからね。それに来月はボーナスだから、また嬉しい出来事が待ち構えているよ。
女性
え、知らないんですか? 来月のボーナスは寸志みたいですよ。この世は諸行無常で良い事が続かないですね。

職場の同僚男女が、給料やボーナスについて会話を繰り広げています。

諸行無常の豆知識

「諸行無常」で有名な平家物語や平家に関する四字熟語は、他にもいくつもあります。「盛者必衰」「沙羅双樹」「一業所感」「月卿雲客」「言語道断」などが代表的なもので、これらは基本的には仏教用語という側面も残されています。

諸行無常の難易度

「諸行無常」は漢字検定5級から9級相当の文字組み合わせで、”諸”と”常”は5級と6級で小学校高学年レベル、”無”は7級で小学校中学年レベル、”行”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

諸行無常のまとめ

「諸行無常」は、平家物語の冒頭部として大変有名ですが、元々は仏教用語で人生の儚さや無常を説いています。この世の万物は変化し永遠ではないという仏教の根本であり究極を説く事で、人々に良い事も悪い事も全てを受け入れるべきと悟りを開いています。

人生は時に諸行無常なものである
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