【有為転変(ういてんぺん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

有為転変(ういてんぺん)

世の中に対して不満があったり、或いは無意味や無常であると思っているなら、「有為転変」という四字熟語がしっくり来ると思います。世界は儚く朧げであり、だからこそ折り合いをつけて前進をする。そんな事を考えさせてくれる「有為転変」についての解説となります。

有為転変の意味

「有為転変」の意味は以下の通りです。
・仏教用語で、世の中の全ての現象や存在は常に移り変わり、決して一定しない。
・この世の全ては因縁によって仮に存在し、常に変化して同じ状態でとどまらない。
・この世は常に無常で儚いもの。
まず、前提として「有為転変」は仏教用語なので解釈はとても難しいです。大凡の意味は上記の通りですが、要約するなら、「この世界は無常である」となります。それを表すのが四字熟語「諸行無常」なので、ほぼ同義となります。「諸行無常」は世の全てが移り変わり、生まれては消滅を繰り返し永遠に変わらないものは無いとなり、対する「有為転変」もほぼ同じですが、移り変わりで留めて再び生まれ変わる事には触れていません。それでも、どちらにしろこの世が無常であるには変わりはないです。”有為”は「原因によって成立した事物」「因縁によって起こる現象」、”転変”は「物事が移り変わる」「変化自在」となります。

有為転変の由来・出典

「有為転変」の由来は、残念ながら不明です。しかし、同じ仏教用語である「諸行無常」と関係深いのは間違いないので、仏教開祖・釈迦や仏法の大網「三法印」(諸行無常・諸法無我・涅槃寂静からなる)が由来ではないかと、少なからず推測できます。

有為転変の類義語・同義語

「有為転変」の類義語には、「諸行無常」「有為無常」などが挙げられます。

有為転変の使い方・例文

例文1.子供の頃の将来の夢ほど、その都度変化する有為転変となるものはない。
例文2.コロナ渦による世界の前後を見ていると、ものの見事に有為転変となってしまった。
例文3.10年周期で物事を計る事が多々あるので、有為転変も10年単位と思えなくもない。
例文4.有為転変で俺は毎日新たに生まれ変わっていると、酔っ払いが豪語していた。
例文5.有為転変の反対は常住不変で、常に存在し変わらないとなります。
常に変化するとした「有為転変」を使った例文となります。

有為転変の会話例

男性
どうしたの? 思いつめた顔をして。
女性
実は転職しようかと、思っていて。
男性
まだ入社して数か月じゃない。もう少し頑張りなよ。
女性
私は一つの所に留まれない性分なんです。常に変化する有為転変を胸に生きているので、肌に合わないと思ったら辞めて次の職場でチャレンジしたいんです。

退職したい同僚女性が、転職する事を有為転変として会話をしています。

有為転変の豆知識

「有為転変」は”因縁”に関係深いですが、直接使われるのは「因果因縁」だけで、物事の原因や条件という意味があります。また「有為転変」や「諸行無常」と同様に仏教用語という側面もあります。一方、”因縁”は直接すぎるので、”因果”とすると「因果応報」「因果覿面」「因果報応」などがあり、これらは良い行いの後には良い報いがあり、反対に悪い行いの後には悪い報いがあるという意味となります。

有為転変の難易度

「有為転変」は漢字検定4級から8級相当の文字組み合わせで、中学校から小学校中学年レベルの四字熟語となります。

有為転変のまとめ

「有為転変」は、この世は無常である「諸行無常」とほぼ同義扱いとなる四字熟語です。この世の全ての存在は常に変化して同じ状態ではいられないと説き、世界は無常で儚いものであるとしています。だからこそ、変化して前進や成長すべきとも深読みできます。

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