【鴉雀無声(あじゃくむせい)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

鴉雀無声(あじゃくむせい)

「鴉雀無声」とは「からすや雀の鳴き声などがまったく聞こえないほど静まり返っている様子」です。普段は煩い場所って色々あると思いますが、がやがや騒がしい代表的なターミナル駅やパチンコ屋なども人気がない夜中なら驚くほど静かですよね。そんな状況を的確に表現する四字熟語が「鴉雀無声」です。

鴉雀無声の意味

「鴉雀無声」の意味は以下の通りです。
 ・ひっそりとして鳥の鳴き声ひとつない状況。
 ・からすや雀など鳥の鳴き声が全くない事から、静まり返っている様子。
 ・「鴉雀声無し」(あじゃくこえなし)と読む。
”鴉”は「からす」、”雀”は「すずめ」、”無声”は「音がしない」「声がしない」で、からずや雀の鳴き声がしないほど静まり返っている様子から、とても静かや物音しない喩えとして使われる四字熟語です。それぐらい静かな場所という事で、例えば大自然であったり普段は煩い都会の喧騒などが静かな時に使ったりします。からすや雀を強調している感もありますが、実際には蘇軾の詩「絶句」の「烏鵲、声無く夜闌に向かう」という部分の”闌(たけなわ)”は「酒席」「宴会」となる事から、「夜になりからすなどの鳴き声もしなくなった頃合いに酒を飲みに出かける」とも解釈できます。よって、からすや雀から大自然と直結して想像するのは正確に理解したとは言い難いのです。

鴉雀無声の由来・出典

「鴉雀無声」の由来は中国北宋時時代の政治家・蘇軾の詩「絶句」となります。

鴉雀無声の類義語・同義語

「鴉雀無声」の類義語には、「鴉鵲無聞」「鴉黙雀静」などが挙げられます。

鴉雀無声の使い方・例文

例文1.ハイレバの海外FXを徹夜で勝負して100万ぐらい負けた時は、突然脳内が現実逃避をしたのか急に何も聞こえない鴉雀無声になってしまい、その後は冷や汗と怒りに涙が交互に押し寄せてきた。
例文2.妻と娘が出て行った愛しのマイホームは鴉雀無声としか言い様がなく、それでもローンの返済だけは待ってくれない。
例文3.コロナがピークの時は山手線もお客が少なく鴉雀無声のような閑散状態だったが、今は再び乗客が増えてきて疲れて仕方がない。
例文4.犬を飼い出したのは鴉雀無声な日々が耐えきれなくなったからで、それからは精神が安定するようになった。
例文5.高級車は物音がしない鴉雀無声のような世界なのだろうかと、これまで軽しか乗った事がないので想像だけ膨らむ。
「鴉雀無声」を使った例文となります。

鴉雀無声の会話例

男性
昼間は賑やかだけど、夜の会社はどうも怖いね。
女性
そうですか? 静かでいいじゃないですか。
男性
そうだけど、鴉雀無声って言うのかな? パソコンの音もしないとちょっと気味が悪いじゃん。
女性
私はもっと静かで物音しない完全な鴉雀無声の方が落ち着くけどな。

人気がなくなった会社で残業をする同僚男女という会話です。

鴉雀無声の豆知識

「鴉雀無声」から”静か”に関する四字熟語は、空虚で静寂な「空空寂寂」、人が入ってこない静かな大自然「深山幽谷」、心を静かにして思いに耽る「熟思黙想」、心を静かにして仏を思い浮かぶ「念仏三昧」などがあります。

鴉雀無声の難易度

「鴉雀無声」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”鴉”は1級、”雀”は準1級で大学一般レベル、”無”は7級で小学校中学年レベル、”声”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

鴉雀無声のまとめ

「鴉雀無声」はからすや雀の鳴き声がしないほど静かという意味です。普段は煩いのに静まり返り、そんな少しばかりの驚きやいつもと違って落ち着かない様を表現しています。ですから、今日に限って静かやどうもおかしいといった状況を表す際に使える四字熟語になっています。

鴉雀無声な森の中
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