【遺臭万載(いしゅうばんさい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

遺臭万載(いしゅうばんさい)

「遺臭万載」とは「悪い噂や評判がいつまでも残る事」です。いつの時代も人は噂話が好きなもので、あいつがどうした、こいつはこうなった等々ある事ない事を面白おかしく話しては仲間内で盛り上がるのです。特に好きなのは古今東西や老若男女を問わず悪評や失敗談で、これほど楽しく愉快な事はないのです。そんな事を考えてしまう「遺臭万載」の解説となります。

遺臭万載の意味

「遺臭万載」の意味は以下の通りです。
 ・悪い噂や評判を後世まで残す事。
 ・悪臭を万年まで残すから、不名誉な記憶が万年まで残ってしまう事。又、悪い噂が出たり不名誉な事をしてはいけないとする教え。
 ・「臭を万戴に遺す」(しゅうをばんさいにのこす)と読む。
”遺臭”は「悪評を残す」「悪臭を残す」、”万載”は「万年」「長い年月」で、悪い評判を万年まで残すのが「遺臭万載」となります。要するにそれだけ不名誉な事をしてしまい、いつまで経っても悪評が消えないという事です。良い噂は時間が経つと消えるものですが、悪い噂は大勢が興味や関心を持つのでいつまで経ってもなかなか消えないのです。ですから、「遺臭万載」は悪い事をしてはいけないという教えとも受け取れます。使い方としては「遺臭万載の理由」「遺臭万載が付き纏う」「遺臭万載に苦しむ」「遺臭万載は消えない」といった風になります。

遺臭万載の由来・出典

「遺臭万載」の由来は中国晋時代の歴史書「晋書」の「桓温伝」となります。

遺臭万載の類義語・同義語

「遺臭万載」の類義語には、「遺臭万世」「遺臭万年」などが挙げられます。

遺臭万載の使い方・例文

例文1.双子の兄が薬物事案で逮捕され、その噂が俺にも遺臭万載として付き纏い、どんなに真面目に仕事をしてもいつも陰口を叩かれて仕事が長続きしなくなった。
例文2.遺臭万載を覆すには人の何倍も努力をするしかなく、そんな根性がない人には大変生き辛い。
例文3.政治家などは遺臭万載が逆に箔となり、貫禄が出て支持者を増やす事になるのだからどうしようもない。
例文4.真面目でも堅物で退屈な男という悪評になって遺臭万載になる恐れもあるのだら、それならとことん悪になった方が気が楽だ。
例文5.北朝鮮の将軍様は遺臭万載と扱われている自覚がなく、全ての国民の偉大なる父として誰よりも肥えてミサイルを乱射するのが生き甲斐となっている。
「遺臭万載」を使った例文となります。

遺臭万載の会話例

男性
課長が席を外したら、新しく入った女性陣が仕事もしないで騒ぎ出して、だから俺はその時「少し黙ってくれない」って言ったんだよ。そしたら…。
女性
その人はヒステリーみたいになったって言うのね。まあ、女の方がそういう癇癪持ちみたいなタイプが意外に多いからね。でも、あなた明日からが大変よ。
男性
えっ、どうして?
女性
それは、その人があなたを毛嫌いしてあらぬ噂を立てるからよ。もう、遺臭万載となる覚悟を持つべきね。

職場で働く女性陣と揉めてしまい、妻に相談する夫という内容です。

遺臭万載の豆知識

「遺臭万載」から”噂”に関する四字熟語は、悪い行為や評判など噂は世間に知れ渡る「悪事千里」、世間で語られる噂話やいい加減な話「街談巷語」、世間の噂や評判や人々の議論「物議騒然」、評判や噂を聞いて肝をつぶすほど恐れる「聞風喪胆」などがあります。

遺臭万載の難易度

「遺臭万載」は漢字検定準2級から9級相当の文字組み合わせで、”臭”は準2級で高校レベル、”載”は4級で中学レベル、”遺”は5級で小学校高学年レベル、”万”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

遺臭万載のまとめ

「遺臭万載」は悪い噂や評判は後世まで残るという意味です。良い噂は世間にあまり広がりませんが、悪い噂ほど好奇を持つ人も多いのでいつまでも人の心に残るのです。”遺臭”は悪臭という意味もあるのでくさい臭いほど人の印象に残る事から、悪い噂もなかなか消えずに苦しめられる人も多いのでしょう。だから、悪い噂が立つような事をしないように注意をするしかありません。

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