【江雲渭樹(こううんいじゅ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

江雲渭樹(こううんいじゅ)

「江雲渭樹」または「渭樹江雲」とは、「親しい友情や遠くの友人への懐かしみ」を表す四字熟語です。皆さんも学校を卒業したり、引っ越しを機に離れ離れになった友人などはいないでしょうか。またその友人をふとした瞬間に懐かしむことはないでしょうか。今回はそんな親友を思う四字熟語である「江雲渭樹」の解説です。

江雲渭樹の意味

江雲渭樹の意味は以下の通りです。
・親しい友情
・遠くへ行ってしまった親友を懐かしむこと
もともとは衣食住をともにした中であったが、お互いの道を進んでいく中で離れ離れになってしまった二人の懐かしみや友情を表現しています。
「江雲」は江東(長江の下流域)の漂う雲を表します。「渭樹」は黄河の支流の一つである渭水(いすい)の周辺の樹木を表します。この文を書いた詩人である杜甫(とほ)は渭水のほとりにいて、親友の李白(りはく)は遠く離れた江東を旅しています。杜甫と李白は大親友であり、いつかまた再開したいとの思いを書き記した詩の一文に登場します。
雲と樹木という離れた二つの存在を使うことによって二人がなかなか会えない様子を感じられる詩でもあります。

江雲渭樹の由来・出典

「江雲渭樹」の出典は、中国盛唐の詩人である杜甫(とほ)が書いた「春日憶李白(しゅんじつりはくをおもう)」からです。

江雲渭樹の類義語・同義語

「江雲渭樹」の類義語には、「暮雲春樹」「渭樹江雲」などの言葉が挙げられます。

江雲渭樹の使い方・例文

例文1.江雲渭樹で、親友と離れ離れになるのはやはり寂しいものだ。
例文2.普段当たり前のように会っていた親友がいなくなると、江雲渭樹でいつかまた会いたいと願っってしまう。
例文3.江雲渭樹、高校時代の親友がどこで何をしているかはわからないが久しぶりに会いたい思いが強くなった。
例文4.江雲渭樹で、普段はなかなか会えない親友と短い時間であったが電話ができて会いたくなってしまった。
例文5.江雲渭樹、昔一緒に全国大会を目指したメンバーにまた会いたい。
「江雲渭樹」を使った例文です。

江雲渭樹の会話例

男性
そういえば、高校時代に同じクラスだった○○が来週に帰ってくるみたい。
女性
江雲渭樹で、いっつも会いたいって嘆いてたわよね。
男性
当たり前だよ。○○とは24時間いっつも一緒にいたからね。
女性
今回会った時に自分の想いをぶつけてみたら!

地元に帰省してくる親友について話す二人組の会話です。

江雲渭樹の豆知識

杜甫と李白は同時代に活躍した詩人であり大の親友でもあります。しかし、二人の詩の世界感は正反対でした。杜甫は現実主義であり、李白はロマン主義の代表でした。

江雲渭樹の難易度

「江雲渭樹」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”江”は準2級で高校在学レベル、”雲”は9級で小学2年生レベル、”渭”は1級で大学・一般レベル、”樹”は5級で小学6年生レベルの四字熟語です。

江雲渭樹のまとめ

現代であれば遠く離れた場所でも飛行機や新幹線を使えば簡単に移動することが可能ですが、詩の書かれた当時(西暦600年~900年あたり)はとてつもない日数が必要でした。何日も日数や時間をかけて会うことができれば、会った時のうれしさも大変なものだったでしょう。杜甫と李白の思い出や懐かしみを書いた詩の一文として登場する「江雲渭樹」の紹介でした。

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