【安車蒲輪(あんしゃほりん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

安車蒲輪(あんしゃほりん)

「安車蒲輪」とは「車輪を蒲の葉で包み振動を抑えた事から、老人を労わりもてなす言葉」です。大事な人を手厚くもてなすのはいつの時代も変わりありませんが、車の振動を抑える為に工夫をするのは相当珍しいのではないでしょうか。それだけ大事であり大切にしていると考えさせられる「安車蒲輪」の解説となります。

安車蒲輪の意味

「安車蒲輪」の意味は以下の通りです。
 ・老人を労わり大切にして、手厚くもてなす事。
 ・蒲の葉で車輪を包み振動を抑えた事から転じて、老人を労わる事であり、また賢人を優遇する喩え。
”安車”は「老人や婦人が乗る小車」、”蒲輪”は「蒲の葉で車輪を包み振動を抑えて乗り心地をよくする」で、老人に気を遣い労わる気持ちが「安車蒲輪」です。古代中国では老人や女性が乗る為の車が街中を走っていたが、当初は立って乗るものでした。しかし、座って乗るように改良をした際に思いの外振動があったので、和らげる為に車輪に蒲の葉を包むようになりました。そこから、老人への労わりや手厚い歓迎などの意味として「安車蒲輪」となります。使い方としては「安車蒲輪の気持ち」「安車蒲輪を心掛けて」「安車蒲輪を忘れずに」といった風になります。

安車蒲輪の由来・出典

「安車蒲輪」の由来は中国後漢時代の歴史書「漢書」の「儒林伝・申公」となります。

安車蒲輪の類義語・同義語

「安車蒲輪」の類義語には、「安車軟輪」などが挙げられます。

安車蒲輪の使い方・例文

例文1.自らの肉体が老いてくると安車蒲輪をされた時の有難味が痛感し、それだけになぜ若い時に自分は同じ事が出来なかったのかと悔やんでも悔やみきれない。
例文2.日本は益々高齢化に向かっていくので、安車蒲輪な気持ちを誰もが少しぐらいは共有してもらいたいものだ。
例文3.大御所の政治家が優遇されるのは安車蒲輪というよりも、その権力に群がる悪人が多いからだろう。
例文4.老人は偉大な先駆者であり国の財産なのだから安車蒲輪で接するのは当然という気持ちは、若者には理解できないだろう。
例文5.高級寿司屋などのもてなしぶりは安車蒲輪を感じさせる徹底ぶりで、これが日本の商売スタイルだ。
「安車蒲輪」を使った例文となります。

安車蒲輪の会話例

男性
最近って女性への社会参加や手助けをする取り組みが加速しているじゃない?
女性
SDGsとかよね。
男性
そうそう。でも女性だけでなく高齢者にも生活しやすい良い環境を作るべきだと思うんだよ。
女性
安車蒲輪の精神よね。確かにそれって思うな。誰だっていずれは老いていくんだものね。

高齢者に配慮する社会について男女が会話をしています。

安車蒲輪の豆知識

「安車蒲輪」から”もてなし”に関する四字熟語は、ご馳走を食べさせたり気前よく物を与える「大判振舞」、親に豪華な食事でもてなし孝行する「三牲之養」、豪華で贅沢な食事から他人をもてなす言葉「炊金饌玉」などがあります。

安車蒲輪の難易度

「安車蒲輪」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”蒲”は準1級で大学一般レベル、”輪”は7級、”安”は8級で小学校中学年レベル、”車”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

安車蒲輪のまとめ

「安車蒲輪」は高齢者や賢人を労わり優遇する事です。古代中国では小車の車輪を蒲の葉で包み振動を抑えたとされ、それぐらい当時は老人を大切にする社会だったと垣間見れます。経験豊富な先人を社会全体で手厚く歓迎するという風習は、現代も見習うべき点かも知れません。

最新情報をチェックしよう!