【哀毀骨立(あいきこつりつ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

哀毀骨立(あいきこつりつ)

「哀毀骨立」とは「哀しみによって体調が悪くなり、食事が喉を通らずに骨と皮ばかりに痩せ細る事」です。久しぶりに再会した知人があまりにも痩せた姿だと、思わず体の心配をしてしまいますよね。昔の中国は現在のようなダイエットをする習慣はないので、急激に痩せてしまったのは貧しさや病気が原因とされ、だから「哀毀骨立」のような言葉が誕生したと思います。

哀毀骨立の意味

「哀毀骨立」の意味は以下の通りです。
 ・両親などが亡くなり酷く嘆き悲しみ、痩せ細って骨ばかりの体になる喩え。
 ・哀しみのあまり体を毀し骨と皮ばかりの見た目に痩せてしまう事。
”哀毀”は「哀しみで体を毀す」「痩せ細る」、”骨立”は「痩せて骨が目立つ」「痩せて骨だらけの体」となり、哀しみから食事が喉を通らずに痩せ細ってしまうのが「哀毀骨立」です。両親が亡くなるなどあまりにもショックな出来事に遭遇して痩せ細ったとなり、そこから酷い哀しみや骨ばかりの体を心配する喩えにもなります。さらに深掘りすると、普通の哀しみではなくこれまで経験した事がない哀しみで非常に辛い際の言葉であり、何日間も食事が出来ないので体が痩せ細ってしまったのです。ですから、相手に対して用いる場合は大変な事故などに遭い掛ける言葉も見つからない悲惨な時などに、「哀毀骨立の風体」「哀毀骨立の風貌」「哀毀骨立のあまり」といった風に使います。

哀毀骨立の由来・出典

「哀毀骨立」の由来は中国南北朝時代の文言小説集「世説新語」の「徳行」となります。

哀毀骨立の類義語・同義語

「哀毀骨立」の類義語には、「毀瘠骨立」「形銷骨立」「羸瘠骨立」などが挙げられます。

哀毀骨立の使い方・例文

例文1.給料やボーナスを貯金しまくってやっと購入したハーレーが無残にも翌日盗まれた時は、あまりのショックで茫然と立ち尽くし体重はまるで数十キロが一瞬で減ったような哀毀骨立になってしまった。
例文2.不幸には慣れているつもりだが、いざ本当の哀しみに襲われると哀毀骨立となって何も手がつかなくなった。
例文3.コロナから復帰して数週間ぶりに出社したら、同僚達は哀毀骨立になったと気遣ってくれたがマスク越しで距離も離れているのでどうにも心配されている感が薄い。
例文4.母が亡くなり愛犬は逃走しインコも脱走した時は、どうして俺の周りからは居なくなると哀毀骨立な気持ちになったが、そんな寂しさから現実に連れ戻してくれたのが借金の返済催促の消費者金融からの電話だった。
例文5.ダイエットをしているだけなのに、久しぶりに会う友人知人の誰もが哀毀骨立と気に掛けてくるのは鬱陶しい。
「哀毀骨立」を使った例文となります。

哀毀骨立の会話例

男性
少し痩せたんじゃない? 御飯食べている?
女性
実は最近ちょっと悲しい事が遭って、それで元気がないんですよ。
男性
俺で良かったら相談に乗るよ。だってオーバーに言えば哀毀骨立ってぐらい痩せて見えるよ。
女性
そんなには痩せてないでしょう。数日食べてないだけだから、でもお陰で少しは元気が出てきました。

哀しみから痩せてしまった知人女性を心配する男性という内容です。

哀毀骨立の豆知識

「哀毀骨立」から”痩せる”に関する四字熟語は、背丈があり痩せた体格の「長身痩躯」、顔立ちが痩せ衰えて生気がない「形容枯槁」、やつれて元気がない人の「喪家之狗」、太ってなく痩せてもなく背も高くなく低くもない平均的な体格の「中肉中背」などがあります。

哀毀骨立の難易度

「哀毀骨立」は漢字検定2級から10級相当の文字組み合わせで、”毀”は2級で高校卒業レベル、”哀”は3級で中学校卒業レベル、”骨”は5級で小学校高学年レベル、”立”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

哀毀骨立のまとめ

「哀毀骨立」は両親が亡くなるなどの哀しい出来事によって食事が通らずやせ細る事です。要するに、それぐらい悲しい事態があったという事を心配したり喩えとする四字熟語です。見た目が骨と皮だけになるので、あまりの激変に周囲も驚きから見守る様子が想像できます。

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