危急存亡(ききゅうそんぼう)
「危急存亡」とは、「命に関わる危機が迫ってきており生き残れるか死ぬかの瀬戸際の状況」のことです。人生の中には生きていれば大なり小なり危ない経験があり、人によっては生きていることが奇跡だと思う人もいるのではないでしょうか。そんな危険な状態を表す言葉である「危急存亡」を今回は解説します。
危急存亡の意味
危急存亡の意味は以下の通りです。
・命に関わる危機が迫ってきており生き残れるか死ぬかの瀬戸際の状況
・命に関わる重大な危険が迫っていること
「危急」は危険な様子が迫っていることを表し、「存亡」は生き残るか滅びるかを表しています。中国の三国時代の武将である諸葛亮(しょかつりょう)が出陣前に君主に対して送った「出師表(すいしのひょう)」にて、自分達の国が疲弊して今はまさに「危急存亡」であると表現しています。自分達の国が存続するか他の国の一部となり消滅するかの一世一代の大勝負だったことが推測できる言葉です。勝ち続けなければ明日はない当時の三国時代を表現する四字熟語です。現代では自分の命をかけて何かをしなければいけないということは殆どありませんが、仕事によっては常に命の危険と隣り合わせで働いている人がいます。そのような人たちはまさに「危急存亡」の中で働かれているのではないでしょうか。
危急存亡の由来・出典
「危急存亡」の出典は、中国の三国時代の武将である諸葛亮の作品である前出師表からです。「出師表」とは出陣する際に君主へ送る文章のことです。
危急存亡の類義語・同義語
「危急存亡」の類義語には、「存亡の機」「難局」などの言葉が挙げられます。
危急存亡の使い方・例文
例文1.今回のレースの結果によっては危急存亡となってもおかしくない状況である。
例文2.現代では命をかけて戦うことはないが、格闘家は危急存亡のような生き方をしている。
例文3.危急存亡の状況でも冷静でいられる人がこのチームにいるおかげでここまで戦うことができた。
例文4.トイレに行きたいがトイレが近くにない状況は危急存亡というにはあまりにも大袈裟な状況である。
例文5.危急存亡の状況をいくつも乗り越えてきたからこそ彼の言葉には説得力がある。
「危急存亡」を使った例文となります。
危急存亡の会話例
競馬好きの二人組の会話です。
危急存亡の豆知識
「危急存亡」の出典元である出師表を書いた諸葛亮は身長が8尺であり、当時では184-192センチと現在の平均身長と比べても大きく当時は大男のような存在であったようです。
危急存亡の難易度
「危急存亡」は漢字検定5級から8級相当の文字組み合わせで、”危”、”存”、”亡”は5級で小学6年生レベル、”急”は8級で小学3年生レベルの四字熟語となります。
危急存亡のまとめ
諸葛亮がこの言葉を書いた当時の自国の危機的な状況下や、将来が託されているような大きなプレッシャーがイメージできる四字熟語である「危急存亡」の紹介でした。現代でも「危急存亡」まではいきませんが、自分の将来を決めるような大事な試験であったり選択が誰しもたくさんあります。そんな時には、その時の心境を綴ってみると将来見返した時に懐かしいと思えることがあるのではないでしょうか。