希少価値(きしょうかち)
コレクターやオタク気質な人は、自分の趣味には大金をいくらでも掛けられるものです。周囲から見ると勿体ないと思う事でも、本人にとって価値があれば何万や何十万円をつぎ込むのは平気なのです。これを逆手に取って、当人は興味がなくても高く売却できると察知して、人気商品を根こそぎ購入して転売をする人達もいます。人間の欲求があり欲しい人と売りたい人がいる限り、今後もこの関係性は続いていくでしょう。それでは｢希少価値｣の解説となります。
希少価値の意味
｢希少価値｣の意味は以下の通りです。
・物の量や数が少なく大変価値が高い。物の数が少なく珍しいので生じる価値。
・”希”を”稀”に変更した｢稀少価値｣も同義となる。
”希少”は｢少なくて珍しい｣｢極めて稀｣、”価値”は｢役に立つ度合い｣｢値打ち｣｢商品が持つ交換価値の本質とされるもの｣となり、上記の様な大変珍しく主に高額で売買されるものを｢希少価値｣として、｢希少価値が高い｣｢希少価値がある｣といった風に使います。骨董品や芸術品、或いはお宝品やアンティーク、ビンテージや名盤珍版など呼び方は業界やジャンルによって様々ですが、要するにその物の数が少なく一部の人達にとっては大変価値があったり、逆にまったくないのが｢希少価値｣です。海外の有名アーティストや亡くなった偉人の作品や持ち物がオークションで高額売買されるのはニュースなどでも取り上げられますが、他にも数十年前に発売された国産スポーツカーは中古でも、まるで熟成されたワインのように新車価格の何倍～何十倍で取引されています。最近ではコロナ渦第一波の頃にはマスクが大変貴重となり、転売が横行して問題となったのは記憶に新しいところです。高級ブランド、限定商品、大人気商品などは注目を集めるのでそれだけ｢希少価値｣となるのに対し、不人気商品や大量生産商品、無価値な物は｢希少価値｣がないので見向きもされなくなります。また、人間その者の希少性も｢希少価値｣として、意識高い若者などは己のスキルを磨き｢希少価値を上げる｣努力に時間を費やしています。資格取得や語学学習、筋トレや料理なども、根底には自分は｢希少価値｣であると周囲から認められたい願望があるのでしょう。使い方としては、他にも｢希少価値な技術力｣｢希少価値な商品｣｢希少価値な人材｣といった形になります。
希少価値の由来・出典
｢希少価値｣の由来は、残念ながら不明です。”稀少性”を唱えたのは18世紀のイギリスの哲学者･アダム･スミスで、欲望量に対して利用可能量が少ない状態の事です。要するに、物が少なくなり欲する人が増える程、希少性が高まります。
希少価値の類義語・同義語
｢希少価値｣の類義語には、｢商品価値｣｢付加価値｣などが挙げられます。
希少価値の使い方・例文
例文1.近所のリサイクルショップに立ち寄ったら、ネットでは大変人気な希少価値の商品が販売されていたので、思わず大人買いをしてしまった。
例文2.家族で最も希少価値のない男が自分で、県会議員の父はだらしがないと嘆いている。
例文3.ダイヤモンドや金は希少価値が高いが、その多くは投機目的であり本当に気に入って購入するのは一部のマダムぐらいだ。
例文4.地方の中小企業でも希少価値となる技術力を高めれば、まだまだ躍進のチャンスはある。
例文5.PS5は早速その希少価値からネットでは転売が横行して、実店舗から普通に購入するのは至難の業だ。
｢希少価値｣がある物やない物での例文となります。
希少価値の会話例
職場の同僚女性がこれまでの節約生活のタガが外れて、散財する価値観に変わってしまったという会話やり取りです。
希少価値の豆知識
｢希少価値｣に対する考え方は人それぞれで、ブランド物や高級車だけでなく恋人や家族その者が貴重で財産とする向きもあるでしょう。しかし、究極的には自身の健康･時間･精神あたりを上回るものはないものです。企業側もそれを察してなのか、最近は一段と時間有効活用を謳う商品や健康食品が増えていて、サプリメントなども様々な商品が販売されています。また、男性に対する美意識変化をサービスとして、メンズエステやメンズ脱毛なども常識となりつつあります。かつては男性が健康や美容を意識するなど考えられなかったので、今後はこの傾向がさらに拍車がかかると推測できます。
希少価値の難易度
｢希少価値｣は漢字検定5級から9級相当の文字組み合わせで、”値”は5級、”価”は6級でそれぞれ小学校高学年レベル、”希”は7級で小学校中学年レベル、”少”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
希少価値のまとめ
｢希少価値｣は物の数が少なくて貴重な物や価値がある物などで、要するに高く売却できる物やいくらでも買いたいという購入希望者が多い事です。通常はこの様な貴重な商品や物などに使いますが、才能ある人や特別な人も｢希少価値の高い人｣と表現します。近年は｢希少価値｣となる品々の転売がブームであり問題ともなっていて、コロナ渦のマスク転売などはその最たる例です。
