【一六銀行(いちろくぎんこう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

一六銀行(いちろくぎんこう)

「一六銀行」と聞いて、東海地方在住ならすっかりお馴染の十六銀行、或いは他の店舗型銀行かネットバンクを連想すると思います。しかし、残念ながらそれらはハズレで、実は質屋の俗称となのです。なぜ、銀行なのに質屋と疑問に抱く方も多いと思うので、その辺りについて詳しく解説をさせて頂きます。

一六銀行の意味

「一六銀行」の意味は以下の通りです。
・質屋の俗称。または七屋(ななつや)、五二屋(ぐにや)とも呼ぶ。
・一と六の和が七で、”質”と同音となる事から「一六銀行」となる。
・逆さにした「六一銀行」も同義となる。
要するに「一六銀行」は「質屋」の事です。一と六を足すと「七(質)」になるので、同じ様なこじ付けから「七屋」「五二屋」とも呼ばれています。この様な点から厳密には「一六銀行」は四字熟語ではなく、俗称(隠語)や名詞扱いとなります。現在は「一六銀行」と言っても、大抵の方はどこかの銀行の名称だと思いますが、昭和初期頃は俗称ながらもある程度の人々には通じていました。しかし、近年は大勢の方に理解されないと思います。

一六銀行の由来・出典

質屋の歴史は大変古く、発祥は古代ギリシアやローマ帝国です。その後は中国にも広まり、日本にも鎌倉時代の頃に入ったと伝えられています。当時は質屋と現在と同じように呼ばれ、既に今とほぼ変わらない質屋ならではの取引システムが完成されていました。それが昭和に入ると、国民生活も豊かになり家電や宝石など、扱う品々に高級品も増えた事もあり、庶民の利用しやすさから「一六銀行」と俗称で呼ばれる様になりました。

一六銀行の類義語・同義語

「一六銀行」の類義語には、「一六勝負」「六一銀行」などが挙げられます。

一六銀行の使い方・例文

例文1.生活苦で姉の高級ブランド品を一六銀行で査定してもらったら、中国や韓国産の偽物と分かり顔から火が出るほど恥ずかしかった。
例文2.一六銀行が近所に出来たので出掛けてみたら、駐車場には高級車ばかり停まっていて、自分は場違いだと感じた。
例文3.昔の学生は一六銀行を頻繁に使っていたと、父が教えてくれた。
例文4.現在は一六銀行もネット査定や買取を強化する時代で、店頭での店員とやり取り交渉はめっきり少なくなったそうだ。
例文5.かつてはラジオや安物の腕時計でも一六銀行でお金を借りれたが、現在ではまず無理だろう。
「一六銀行」を質屋とした、昔を懐かしむ様な例文となります。

一六銀行の会話例

男性
また、やってしまった。買物やパチンコをして、もう給料が殆どないよ。
女性
どうするんですか? 給料まで半月ぐらいありますよ。
男性
仕方がない。一六銀行こと質屋を利用するか!
女性
一六銀行って、何か売れる高級ブランド品を持っているんですか先輩は?

給料を使い果たしたサラリーマン男性が、一六銀行を利用しようとしています。それに後輩女性がやや呆れていて、そんな会話やり取りです。

一六銀行の豆知識

質屋が昭和初期になると「一六銀行」と呼ばれるようになり、再び現在は質屋と呼ぶのが定着していますが、この間には実は様々な俗称で呼ばれた試行錯誤的な期間・時代がありました。質屋が七屋になり、一六屋、五二屋などを経て「一六屋」が定着したが、再び当初の質屋に戻ったそうです。

一六銀行の難易度

「一六銀行」は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、小学校中学年から低学年レベルの四字熟語となります。

一六銀行のまとめ

「一六銀行」は質屋の俗称であり、昭和初期に主に庶民や関係者の間で使用されていました。現在は一部の人には通じますが、質屋ほど大勢には知られてはいません。一と六の和から「七(質)」としたので、同様に七屋や五二屋とも呼ばれていました。

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