【口不調法(くちぶちょうほう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

口不調法(くちぶちょうほう)

携帯電話の普及によって通話が増えるよりも、メッセージのやり取りが増えたのは意外な誤算ではないでしょうか? 若い世代などは通話は面倒で、好きな時にLINEなどでメッセージやり取りをする方が便利で気軽と感じているそうです。そんな現在でも、メッセージよりも会話能力を高く評価する人が多いのもまた事実です。それは、仲が良い友人同士ならLINEですが、実際に初対面で会うなら結局は会話が最善のコミュニケーションツールだからです。それでは、会話が上手な人も苦手な人も知っておくと便利な四字熟語「口不調法」についての解説となります。

口不調法の意味

「口不調法」の意味は以下の通りです。
・話すのが苦手で、思った事を人に伝えられない。
・物の言い方が下手という自覚がある人。「口下手」の事。
・”不”を”無”に変えて「口無調法」とも書き同義。
”口”は「ものの言い方」「口出しする」「話す能力」、”不調法”は「過ち」「行き届いた態度ではない」「手際が悪い」「不始末」となり、会話が苦手や得意でないのが「口不調法」となります。要するに、自分が思った事を相手に伝える能力が劣っている事ですが、現在は面白い会話が出来なかったり、空気を読んだ話が出来ない等も含まれるようです。それは対義語ともなる「口上手」は、相手を喜ばせたり笑わせる会話が出来る人となるので、その反対の「口不調法」はこれらが出来ないとなるからです。「口不調法」と「口下手」は同義なので、これらは感じとして、無口・言葉が足りない・言葉が未熟・余計な一言を言う等となります。難しいのは余計な一言で、どんなに会話が上手でも、最後に余計な一言や思わず本音を漏らして相手を怒らせると、それは「口下手」であり「口不調法」となります。さらに男性が女性相手なら、聞き上手で巧みに相槌などをこなさないと、これも「口不調法」と思われる恐れがあります。よって、会話とは相手を楽しませたり共感されないと、好意的には思われないのです。実際の使い方としては、「口不調法で誤解させた」「口不調法で不快にさせた」「口不調法だから会話が辛い」といったネガティブな感じが多くなります。

口不調法の由来・出典

「口不調法」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、室町時代頃の狂言「虎寛本狂言」の右近左近などに記されています。

口不調法の類義語・同義語

「口不調法」の類義語には、「営業下手」「会話下手」などが挙げられます。

口不調法の使い方・例文

例文1.口不調法なので営業は出来ないと、上司に伝えようと思っているが、退職をする気まではないので正直憂鬱だ。
例文2.口不調法なのに、忘年会で漫才の余興をするように頼まれてしまった。
例文3.明るくて会話上手な人を見ると、口不調法な自分としては心底羨ましく感じる。
例文4.性格が暗いので、友人と会話をしていても、口不調法で不快にさせていないかと気を遣って疲れてしまう。
例文5.あれだけ芸能界で活躍しても、釈明会見では口不調法になり終始汗が噴き出てしまうそうだ。
様々な口下手について「口不調法」を使った例文となります。

口不調法の会話例

男性
ごめん。ちょっといいかな、あのー…、えーと…。そのー…。
女性
もうイライラするなー! 何が言いたいの?
男性
ごめん、俺は口不調法だから…。思っていても、なかなか口に出すのが苦手なんだよね。
女性
それでも酷すぎるよ。私たちは夫婦よ。で、結局は小遣いの前借りしたいというお願いでしょう。どうせ!

妻が怖いのか、思った事を口に出せない夫との会話やり取りです。

口不調法の豆知識

「口不調法」で悩んでいる人も案外と多いと思います。学生時代だけでなく社会に出ると、何かと会話スキルを求められ、特に男性はそれが女性にモテる要素や出世にも影響するからです。会話が上手い人と下手な人には、本人の性格以外にも県民性も実は大きく関係しているそうです。関西人は会話が上手ですが、関東や東北は少し苦手な感じがします。それは冗談のセンスが関西人の方が長けているからとも言われ、逆に東北人は寡黙で無駄口を叩かないと評価された背景も影響しているそうです。一方、相手には自分とは違う能力を持って欲しいとも言われるので、東北人と関西人のペアは案外と相性が良いのかも知れません。

口不調法の難易度

「口不調法」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”不”と”法”は7級、”調”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”口”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

口不調法のまとめ

「口不調法」は「口下手」と同義で、会話が苦手や下手という人の事であり、またそんな喩えとなります。一言で会話が苦手と言っても様々なタイプがありますが、自分が思った事を相手に伝えられないのが所謂、「口不調法」です。しかし、現在は会話にも高いレベルを要求されるので、面白い冗談やその場を和ませる一言が苦手だったり、空気を読んだ会話が出来ないなら、口下手という扱いを受けるかも知れません。

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