厚顔無恥(こうがんむち)
迷惑系ユーチューバーなどを非難するコメントには、｢厚顔無恥｣という言葉が使われる傾向があります。他にも、問題行動を起こす芸能人などにも手厳しい表現として、用いられやすいようです。自分勝手や図々しい人を的確に言い当て、尚且つ誰もが意味を理解しているのが使用側からすると勝手が良いのでしょう。また、言われた側は言い返す的確な言葉がないので、そこも｢厚顔無恥｣の強みだと思ってしまいます。それでは、厚かましいですが解説に入らせて頂きます。
厚顔無恥の意味
｢厚顔無恥｣の意味は以下の通りです。
・厚かましくて恥知らず。図々しくて恥知らず。
・他人の迷惑をまったく気にせずに自分勝手に振る舞う。恥を恥と感じない。
・逆さにした｢無恥厚顔｣も同義となる。
通常は世間なり他人の評判や視線などを気にするものですが、その様な感情が欠落しているのか、それとも分かった上でなのか、恥を恥とも思わない自分勝手な行動や性格が｢厚顔無恥｣となります。よって、厚かましくて自由気ままで好き勝手に振る舞います。具体的には、隣近所を気にせずに夜中でも騒いだり、友人から借りたお金を返さない、飲食店などで店員に横暴な態度を取る等、挙げたらキリがありません。最近何かと多い迷惑運転やあおり運転なども、一種の｢厚顔無恥｣だから為せるのでしょう。一方で、日本人は他人を気にし過ぎるという声もあるので、世界的にみると日本人が思う標準マナーは大分堅苦しくて厳しいそうです。何より、多少は｢厚顔無恥｣となる図々しさがある方が、厳しい世の中を渡り歩くメンタル的な強みとなるのも事実です。”厚顔”は｢面の顔が厚い｣｢恥知らず｣｢厚かましい｣、”無恥”は｢恥を知らない｣｢恥と思わない｣となります。
厚顔無恥の由来・出典
｢厚顔無恥｣の由来は、中国南北朝時代の詩文集｢文選｣の孔稚珪｢北山移文｣となります。
厚顔無恥の類義語・同義語
｢厚顔無恥｣の類義語は｢寡廉鮮恥｣で、四字熟語以外では｢鉄仮面｣｢恥知らず｣などが挙げられます。
厚顔無恥の使い方・例文
例文1.厚顔無恥な兄は通勤の電車内でも大声で友人と会話をしていて、妹としては恥ずかしいかぎりだ。
例文2.厚顔無恥だと思われない様に、社会常識として一般的な四字熟語を覚えるように努力している。
例文3.若い時は飲んだ暮れて友人や隣近所に迷惑をかけてばかりだったので、内心は全員が厚顔無恥だと思っていたのだろう。
例文4.国会で平然と虚偽答弁を繰り返す官僚は、子供の頃から必死で勉強して最終的に手にしたのが、世間が羨む高収入と愚民から厚顔無恥と揶揄されるこの二つだ。
例文5.芸能人や政治家は厚顔無恥で、他人を蹴落とすメンタルがないとやっていけない。
政治家や官僚などを揶揄した例文となります。
厚顔無恥の会話例
妻が歩きタバコをしている人を｢厚顔無恥｣と批判する会話です。
厚顔無恥の豆知識
｢厚顔無恥｣から中国人の本質についての解説となります。日本人と中国人では考え方に大分差があり、恥についても同様です。例えば、大声で会話をするか否かは典型的な日本人と中国人の違いであり、中国人は大声を良しとする文化があります。また、トイレに関しても明確な違いがあり、日本人は外で用を足すのは子供でも少ないです。しかし、中国人は観光地などでも平気で外で用を足します。日本人の恥と中国人の恥は、想像以上の違いがあるので、外での用足しも可能なのです。もちろん、最近の大都会で欧米文化を吸収して暮らす中国人は少ないでしょうが、地方の中国人は未だに外での用足しは平気であり、また周囲も容認しています。一方で、アメリカなどから非難されると一般国民ですら強い口調で反論をするので、国や国民としてのプライド高さは日本人以上なのです。日本人ならアメリカなどから非難されても、一般人が声高に反論するのは非常に稀です。
厚顔無恥の難易度
｢厚顔無恥｣は漢字検定4級から9級相当の文字組み合わせで、”恥”は4級で中学レベル、”厚”は6級で小学校高学年レベル、”無”は7級で小学校中学年レベル、”顔”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
厚顔無恥のまとめ
｢厚顔無恥｣は、厚かましいや図々しいに恥知らず等々の恥を認識しないという意味の四字熟語です。大声で騒ぐ人から、本格的に他人に迷惑をかける人まで幅広く使え、文字通り面の顔が厚く恥を知らない人達に対して、これ以上に最適な言葉はないでしょう。
