【安寧秩序(あんねいちつじょ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

安寧秩序(あんねいちつじょ)

平和や安定を意味する四字熟語では、「平穏無事」を真っ先に思い浮かべる人が大半だと思います。同じような意味合いながら「安寧秩序」は、堅苦しさや難しさが強い感じがあるからです。”秩序”というと「社会秩序」や「社会ルール」となるので、この辺りの重苦しさが「安寧秩序」にも影響を与えているのでしょう。そんなある意味で重みがある「安寧秩序」についての解説となります。

安寧秩序の意味

「安寧秩序」の意味は以下の通りです。
・国や社会が安定し落ち着いている状態。
・世の中が平和で不安がなく秩序が守られている。
・社会の安全と秩序が保たれ、人々が安心して暮らせる社会状況。
「安寧秩序」を一言で言い表すなら「平穏な社会」で、平和で秩序がきちんと守られている状態です。具体的には国や社会が健全に機能し、小さな不満はあっても人々の大多数が社会ルールを守り生活を送っている事です。例えば、悪人が犯罪行為を犯したら警察が逮捕し、その後は裁判(公判)があり刑務所に収監されます。この様な罪人に対する流れが明確にルール通り行われるのが「安寧秩序」で、何も悪人だから即逮捕で収監とはならないのです。ですから、日本やアメリカなどの先進国は、政治や膨大な借金などの問題をいくつも抱えてはいますが、国や社会という面では常に安定しているので「安寧秩序」が保たれています。一方、中東やアフリカ諸国など政府がきちんと機能していない国々は「安寧秩序」とは言い難いです。”安寧”は「平穏無事」「穏やかな状態」、”秩序”は「社会や集団の状態を保つ約束事」「物事の正しい順序」となります。実際の使い方としては、「安寧秩序を乱す」「安寧秩序に治まる」といった感じになります。

安寧秩序の由来・出典

「安寧秩序」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治22年に公布された大日本帝国憲法の第九条に文言が記されています。

安寧秩序の類義語・同義語

「安寧秩序」の類義語には、「安寧無事」「平穏無事」「天下泰平」などが挙げられます。

安寧秩序の使い方・例文

例文1.日本は高齢化や少子化など問題も山積みだが、先進国として安寧秩序が保たれている。
例文2.政治家や公務員になるなら、社会を安寧秩序させる強い責任感が求められる。
例文3.公文書を改ざんさせながら屁理屈をまかり通す内閣は、安寧秩序の意識が欠如している。
例文4.上級国民や議員の犯罪にはとても甘い対応を取りながら、それでも安寧秩序で平和と言い切る国民の多さが彼らを喜ばせる。
例文5.全体とすれば日米や先進国は安寧秩序だが、予想外のコロナが未だに終息せず、少しずつ混沌とした無秩序な社会に向かいつつある。
政治や国際・社会問題などに「安寧秩序」を使った例文となります。

安寧秩序の会話例

男性
駅前に新しく交番が出来たね。
女性
そうなの。役所に懇願して、やっと完成したの。5年ぐらい掛かったんじゃないかしら!
男性
まあ何はともあれ、これで安寧秩序な街づくりの完成にまた一歩近付いて良かったよ。
女性
お巡りさんが近所にいるだけで安心感がまったく違うものね。

駅前に交番が新しく作られ、中年夫婦が安心したという会話です。

安寧秩序の豆知識

「安寧秩序」は平和や安全という意味合いですが、中国では平和が和平となります。日本の平和と中国の和平はほぼ同じ意味ですが、これが日本での平和と和平では微妙に違い、平和は「戦争がない穏やかな状態」「心配事がなく穏やか」、和平は「争いが終わり仲直りして平和になる」「気候が穏やか」となります。要するに、一度争いがあってから平和になるのが和平です。憶測ですが、和平という言葉が中国で誕生し、それが日本に入ったとするのが自然なので、同じ様に使われると思いきやなぜか日本では平和になったのです。

安寧秩序の難易度

「安寧秩序」は漢字検定準2級から8級相当の文字組み合わせで、”寧”と”秩”は準2級で高校レベル、”序”は6級で小学校高学年レベル、”安”は8級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

安寧秩序のまとめ

「安寧秩序」は、国や世の中が平和で安定しているという意味の四字熟語です。秩序が保たれ、人々が毎日を安心して暮らせる事で、一般的には先進国などの国や法がきちんと機能している際に用いられます。もちろん、逆説的に「安寧秩序を目指す」として途上国や危険な社会情勢で使用する場合もあります。

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