【恐惶謹言(きょうこうきんげん)】の意味と例文と使い方

恐惶謹言(きょうこうきんげん)

「恐惶謹言」とは「目上の人を尊敬する言葉で手紙末尾に書き、恐れ畏まるという意味」です。日本語は独特の言い回しや暗黙の了解めいた常識が多数存在しますが、「恐惶謹言」もそんな古き習慣の一つとなっています。尊敬する相手へのマナーとして用いる言葉とも言え、通常は手紙で使うのが一般的です。そんな「恐惶謹言」の解説となります。

恐惶謹言の意味

「恐惶謹言」の意味は以下の通りです。
・恐れ畏まり謹んで申し上げる。
・手紙の末尾に書き添えて、敬意を表す際に用いる言葉。
”恐惶”は「恐れ畏まる」「畏まり慎む」「手紙末尾に書き敬意を表す」、”謹言”は「謹んで言う」「手紙末尾に書き敬意を表す」で、相手を尊敬し丁寧であるとして用いるのが「恐惶謹言」です。一般的には手紙に使う事が多く末尾に書き添えると、「恐れ畏まり謹んで申し上げる」という意味になります。要するに、手紙の結び挨拶で書く「敬具」や「敬白」とほぼ同義扱いです。「恐惶謹言」を絶対に書く必要はありませんが、特に目上の方に手紙を出す際は常識が大事になるので、「恐惶謹言」と書き加える事で行儀作法を弁えていると思ってもらえます。また、手紙以外でも取引先のお偉いさんを相手にした際に尊敬し敬意を示すや、或いは丁寧な対応として「恐惶謹言」を使います。

恐惶謹言の由来・出典

「恐惶謹言」の由来は残念ながら不明です。文献としては、平安時代の貴族・藤原明衡の往来物「明衡往来」(11世紀頃)などに文言が記されています。

恐惶謹言の類義語・同義語

「恐惶謹言」の類義語には、「恐恐謹言」「恐惶敬白」などが挙げられます。

恐惶謹言の使い方・例文

例文1.営業成績で歴代トップを更新したら社長から直筆の手紙が届き、最後には恐惶謹言と書かれていて感激した。
例文2.恐惶謹言、課長の言葉には経験からの重みがあり、こちらも気合が入り身が引き締まる。
例文3.突然現れた社長の質問に、「恐惶謹言ですが、今度の入札は難しいのではないでしょうか」と答えた。
例文4.恐惶謹言ながら一言だけ付け足すなら、今回の失敗は誰の所為でもなく不運が続いただけです。
例文5.真面目な同僚は、私への社内メールでも恐惶謹言と書いてあるので、思わず笑ってしまう。
手紙や口頭で「恐惶謹言」を使った例文となります。

恐惶謹言の会話例

男性
結婚祝いの手紙なんだけど、どんな風に書けばいいのかな?
女性
うーん。友達にならそんなに畏まらなくて大丈夫だよね。でも…。
男性
職場の上司やお世話になった人にはそうはいかないよね。
女性
それは丁寧な言葉遣いで、最後には敬具や恐惶謹言も絶対に入れないと失礼よね。

結婚祝いの手紙の書き方について夫婦が会話をしています。

恐惶謹言の豆知識

「恐惶謹言」から手紙の書き方について簡単な解説です。今回の「恐惶謹言」や敬具に敬白は”結語”と呼ばれて文末に書き、反対に最初に書くのは拝啓や拝呈に啓白で”頭語”となります。また、女性が出した場合は”結語”を「かしこ」とする事も多いです。他にも前略・草啓・急啓・拝復など独特の言葉が用いられます。

恐惶謹言の難易度

「恐惶謹言」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”惶”は1級で大学一般レベル、”謹”は準2級で高校レベル、”恐”は4級で中学レベル、”言”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

恐惶謹言のまとめ

「恐惶謹言」は恐れて畏まるなど相手に敬意を表す意味で、一般的には敬具や敬白などと同じ扱いで手紙末尾に使われる言葉です。特に目上の方や尊敬する人に出す手紙には、今でも絶対に必要と言えるほど常識になっているので注意が必要です。

恐惶謹言している女性。
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