呑舟之魚(どんしゅうのうお)
「呑舟之魚」とは「船を呑みこむ大魚から、大人物や偉大な者の喩え」です。古代中国ではあまりにも大きな魚を伝説の魚と称えていたので、そこから偉大な人物にも「呑舟之魚」と喩えて使われていたようです。
呑舟之魚の意味
「呑舟之魚」の意味は以下の通りです。
・常人を遥かに超えた才能を持つ大物。
・船を呑みこむほどの大魚から、常人の常識では計り知れない大物の喩え。
・諺「呑舟の魚」も同義。
”呑舟”は「船を呑みこむ」「船を丸呑み」で、大きな船を丸呑みするような大魚から、人並み外れた才能の持ち主が「呑舟之魚」です。古代中国では船を呑み込むほど大きな魚が棲息していたとされ、そこから大人物を「呑舟之魚」と喩えて使うようになります。因みに、諺「呑舟の魚は枝流に游がず」は「船を丸呑みする大魚は小川には棲まない」として、大物は退屈な者と付き合ったりしないという喩えになります。
呑舟之魚の由来・出典
「呑舟之魚」の由来は中国前漢時代の歴史書「史記」の「酷吏伝」、又は中国戦国時代の思想家・荘子の書物「荘子」の「庚桑楚」となります。
呑舟之魚の類義語・同義語
「呑舟之魚」の類義語には、「呑波之魚」などが挙げられます。
呑舟之魚の使い方・例文
例文1.金遣いが荒いと大人物から呑舟之魚と言われるが、ギャンブル好きの俺は魚よりも肉料理の方が好きだ。
例文2.節制したソロキャンプをしていると、自分は小物で呑舟之魚と呼ばれる事はないと気が付いてしまう。
例文3.YouTuberが呑舟之魚なフリをしていると、なぜこんなにイライラするのだろう。
例文4.部下に嫌味ばかり口にする上司は、呑舟之魚を目の当たりにすると口数が減り急にしおらしくなる。
例文5.生涯貧乏が決定したので、貧しくても呑舟之魚な人物に見える模索をしているが、周囲は納得しないだろう。
「呑舟之魚」を使った例文となります。
呑舟之魚の会話例
家族の為に給料が上がらない事に納得できない夫とその妻の会話です。
呑舟之魚の豆知識
「呑舟之魚」から”大人物”に関する四字熟語は、大物の志は小人物には理解し難いという喩え「燕雀鴻鵠」、大物に退屈な仕事をさせる「大器小用」、偉大な人は大成するのに時間が掛かる「大器晩成」などがあります。
呑舟之魚の難易度
「呑舟之魚」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”呑”と”之”は準1級で大学一般レベル、”舟”は4級で中学レベル、”魚”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
呑舟之魚のまとめ
「呑舟之魚」は船を丸呑み出来るほどの大魚から転じて、将来大きな事を成し遂げる大人物や大物の喩えです。そんな大きな魚に引けを取らない人物を喩えて「呑舟之魚」として、日常生活などでスケールが大きい人などを表現する際に使います。