【三権分立(さんけんぶんりつ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

三権分立(さんけんぶんりつ)

「三権分立」は学生時代に学習した記憶が誰しもあると思いますが、その後忘れかけていた頃に例の安倍総理や黒川前東京高検検事長の一連の騒動で、連日のよう三権分立の問題がニュースや紙面を賑わせました。そもそも「三権分立」とは権力を握る機関が互いにけん制し合いバランスを保つものですが、それが覆された事で大問題に発展したのです。この時期は「三権分立」について詳しい解説が散々されてきましたがそもそもの歴史や経緯に「権力分立」などは疎かにされがちなので、その辺りも踏まえて詳しく解説をさせて頂きます。

三権分立の意味

「三権分立」の意味は以下の通りです。
・権力の濫用防止の為に、立法権・行政権・司法権の三権をそれぞれ独立した機関に委ねる原理。
・国会・内閣・裁判所が互いに監視と抑制し合い、権力の濫用を防ぎ国民の権利や自由を保障する。
・権力集中を防ぐ「権力分立」を代表する最も典型的な方法が「三権分立」。
「三権分立」とは、「権力分立」という権力の分散や濫用の抑止を目的とした制度の最も代表的な物です。要は、総理大臣や大統領、裁判所といった国家権力をそれぞれ区別し別の機関として、独裁を防ぐ目的があります。ですから、アジアの某大国などは「三権分立」や「権力分立」が果たされていない事になります。日本における「三権分立」は、立法権(立法府)は「国会」、行政権(行政府)は「内閣」、司法権(司法府)は「最高裁判所」となり、互いに監視し合う体制が出来ています。そして主権者である「国民」が国会議員は選挙、内閣には世論、裁判所の裁判官には国民審査という形で深く関わり合っています。

三権分立の由来・出典

「三権分立」の由来は諸説ありますが、フランスの哲学者・シャルル・ド・モンテスキューがイギリス政治の影響から「三権分立」の元でもある「権力分立」の基礎を確立させ、政治哲学書「法の精神」(1748年)を出版しました。日本では、「政体書」(1868年)などで「三権分立」に触れられますが、本格的な導入となったのは約80年後の日本国憲法施行(1947年)の時です。

三権分立の類義語・同義語

「三権分立」の類義語には、「権力分立」「五権分立」などが挙げられます。

三権分立の使い方・例文

例文1.長期政権の弊害なのか、三権分立がここまで蔑ろにされる日本は本当にヤバイと、居酒屋で若者たちが熱く政治談議をしていた。
例文2.三権分立は権力の濫用を防ぐとなるが、内閣が力を握り過ぎると暴走が可能であると日本では露呈した。
例文3.三権分立を正しく機能させるには、国民の意識改革もあるが、突き詰めると二世や三世議員といった世襲議員を廃止にする事だと思う。
例文4.国会と内閣はもちろん問題ありだが、裁判所も世間知らずばかりが集まり、三権分立をこのまま維持するのは実は問題がありすぎるのではと、令和という新時代に入り余計に思ってしまう。
例文5.友人は一度就職したが、三権分立を本格的に学びたくて、再び大学に入り直した努力家だ。
政権や国会批判といった文章に「三権分立」を用いた例文です。

三権分立の会話例

男性
黒川検事長の任期延長騒動が大問題に発展しているね。
女性
そうなの。朝から夜まで、ニュースもワイドショーもこの話題で持ちきりよ!
男性
ところで、これって何が問題なの?
女性
あなたしっかりしてよ。内閣が最高裁の人事にまで関与したら三権分立が守られないでしょう。

夫婦が黒川検事長の定年延長問題について会話をしています。

三権分立の豆知識

「三権分立」の”三権”とは立法権・司法権・行政権で、立法権の大きな役割は国の法律を作り予算を決める事です。その為「国権の最高機関」とも呼ばれ、国会議員を国民が選挙によって選べる点もあります。司法権は最高裁判所や下級裁判所で、法を破った者を司法で裁く役目を担っています。かつては田中角栄元総理を逮捕するなど政界汚職にもメスを入れる捜査機関であり、「法の番人」とも呼ばれます。行政権は日本では内閣の事で、国会が決めた法律の執行や外交など国の統治をする役割となります。

三権分立の難易度

「三権分立」は漢字検定5級から10級相当の文字組み合わせで、”権”は5級で小学校高学年レベル、残り三文字は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

三権分立のまとめ

「三権分立」は、独裁を防ぎ権力を集中させない為に立法権・行政権・司法権の三権をそれぞれ独立させるシステムで、日本の場合は国会・内閣・裁判所が互いに監視し合う事でバランスを保ち、「権力分立」の役割が守られています。民主主義国家にとって、「三権分立」を守る事が根幹でもあり最も大事な肝です。

三権分立の象徴である国会議事堂
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